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第二波が本格到来 1日38万人の新規感染者を記録したインド

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感染急増の理由とは?

インドで日本企業の進出支援を行っている公認会計士の野瀬大樹です。

日本でも大きく報道されているようですが、インドのコロナ感染者数がとんでもないことになっています。
去年の10月あたりから収まりを見せていた感染者数ですが、今年の4月に入ってからその数は急増し、この原稿を書いている4月29日の時点で一日38万人です。
大規模な人口を抱える首都デリーや経済都市ムンバイでは、医療用酸素が枯渇し、工業用の酸素を急遽使用していますが、それでも足りず闇で酸素が売買されている有様です。
病院のベッドはすでに限界を超えており、救急者はもちろん自身の車やバイクで患者を運んでも病院には入れてもらえず、病院の前で亡くなった患者の家族が刃物を持って病院に押し入った事件も発生しました。

このインドのコロナの第二波という大爆発はどうして起きてしまったのでしょうか。以下の理由を考察します。

① 患者が減っていたため生じた気のゆるみ

実際、政府発表でも10月~3月まではインド全土でも一日2万人程度とかなり患者数は減っていました。インドの人口は日本の10倍程度ですので、日本で一日2千人と考えるとそれほど大騒ぎする水準ではなかったのは理解できるかと思います。そのため「インドはコロナを克服した」「集団免疫を獲得した」との報道があり、実際マスクもせずに皆で集まり、結婚式なども大々的に開催されていました。私の住んでいるデリーでも、2月3月は市中でマスクをしている人の割合は6割程度でした。

② 3月4月あった大きな祭りの影響

そのように気が緩んでいたところに、3月末にホリー、4月頭にクンブメーラというインド全土を巻き込む大規模なお祭りがありました。政府からの自粛要請などもがあったにも関わらず両祭りは大規模に行われ、特にクンブメーラは聖地への巡礼があるため、多くの人がノーマスクでインド中を大移動しました。

インドで感染爆発が始まったのが4月中頃からだったので、この2つの祭りが原因であったことは明白です。

③ 二重変異があると言われるインド株の存在

そして日本でも報道されているいわゆる「二重変異ウィルス」の存在です。

実際今回の感染爆発の特徴は、その感染力の強さに加え30代40代の重症者の多さです。デリーの私の近所で亡くなっている人は40代が多く、現地のインド人も皆口をそろえて「去年のコロナとは全く違う」と言っています。インドはその平均年齢が低いこともあって、昨年の感染爆発も驚異的な回復で乗り切った感があるのですが、今回は比較的若い人でも重症化している点に警戒が強まっています。

また5月1日からは18歳以上ならだれでもワクチン接種が受けられるインドですが、この二重変異ウィルスにはワクチンが効かないとの意見もあり、ワクチン接種会場の密状態もあいまってワクチン接種をためらう人が出だしている点も懸念されています。

デリーとムンバイはすでに外出禁止令下にあり、それ以外の都市も感染拡大に応じて同様の措置をとる可能性が高いとみられています。当初1週間の予定のロックダウンが結局2か月続いた昨年同様、今年も少なくとも5月末までは同様の措置が続くのではというのが現地での意見です。2月3月と回復基調にあったインド経済が大きなダメージを受けることは間違いなく、今後の景気に暗い影を落としそうです。

まとめ

・インドのコロナ第二波は予想を大きくお越える大波になった。
・デリーやムンバイはすでに医療崩壊しており、外出禁止令はまだまだ続く模様。
・特にデリーは未だに収まる気配がなく経済への影響が懸念される。

【プロフィール】
野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士

大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。

事務所HP:http://in.nacglobal.net/

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