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2019年のインドの税制改正

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インド減税

インドで日本企業の進出支援を行っている公認会計士の野瀬大樹です。

インドの予算案、政府の方針や税制改正は毎年2月に発表されるのですが私自身が仕事で多忙だったことも相まって少し読み込むのが遅くなりました。

結論から言いますと、今年も大きな改正はなしです。ただ総選挙が近いこともあって小さいものの減税傾向の改正が今年もありました。

①課税最低限の引き上げ

インドでは年間の所得が25万ルピー(日本円で40万円程度)までであれば非課税だったのですが、その課税最低限が一気に倍の50万ルピーに引き上げられる見込みです。これはすべての人が対象なので、日本人駐在員にとっても少しの減税になり、おおよそ年間で(50万-25万)×5%の12,500ルピー程度の所得税が少なくなります。

②基礎控除の拡大

 昨年まで4万ルピーであった基礎控除が、5万ルピーに引き上げられることになりました。これも全ての納税者が対象となりますので日本人駐在員にも恩恵はありますが1万ルピー×5%の500ルピー程度と恩恵はわずかと言えます。

③農家への所得補助プラン

まだまだ第一次産業が多いインドにおいては大票田とも言える小規模農家に対して1年間で6000ルピーの所得補助プランが発表されました。しかもその支給は3月31日と日本ではありえない早さです。4月に始まる総選挙を見越しての「バラマキ」だという意見も納得です。

大きな改正はこのあたりでしょうか。

どれも低所得者の税額がさらに軽くなる、または税額がなくなるような改正であり、慢性的な財政赤字であるインド政府の収支はさらに悪化するようです。実際にGDPに占める財政赤字の割合は昨年の3.3%から3.4%に拡大する見込みとなりました。政府は2年後には財政赤字は改善すると発表していますが、また同じような改正が続いた場合その目論見も外れることとなります。

納税者にとっては恩恵がありますが日本と同様慢性的な財政赤字は長期的には国家運営の首を絞めるので今後も要注意と言えます。

まとめ

・選挙前ということもあり、本年度の税制改正も「減税」の方向。

・課税最低限の拡大、基礎控除の拡大が主な内容も大きな改正はない。

【プロフィール】
野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士

大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。

事務所HP:http://in.nacglobal.net/

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