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インド企業の税納付状況あれこれ(公認会計士 野瀬大樹)

      2017/09/14

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インドで税務の仕事をしていると、日本ではありえないような事態に出くわすので飽きることがありません。現地ではよくある話でも、日本では非常識!という話もあり、現地で起こったことを日本の本社に報告する私も一苦労です。今回は、そんなインドの税金状況について面白おかしくご紹介したいと思います。

 

そもそも税務申告をしない

先日、新しい従業員を雇い、新しいパソコンを買うことになったのですが、その時にインボイス(請求書)が欲しいと言ったら、「それは出せない」との回答。インボイスを出してしまうと、売上の足がついてしまうので、税務申告を行っていないインドの多くの零細業者はそれを避けたがるのだとか。

また、仮に発行してくれたとしても「インボイスが必要だったらVATを載せる。不要だったらVATは載せない」ということもよく言われます。VATとは日本の消費税のようなもので、これを載せないということはすなわち税務申告もしていないということです。

私は日本の税理士でもあるのですが、日本の場合、中小零細業者の税務申告の正確性はともかく、そもそも「申告をしない」という人はあまり見ないですが、インドではよくある話です。一番多いのが、必要なものを買う時にどうしてもインボイスがもらえないため経費で落とせず、泣く泣く駐在員の方がポケットマネーで買うケースです。このような場合金額にもよりますが、手書きの領収書を残しておけば会計処理はできますので、常日頃領収書フォームをカバンに入れておきたいところです。

預かった源泉税も納付していない

そのように税申告をしない人が多いので、インドでは日本よりも源泉税のシステムが複雑かつ厳しいのですが、お客様が代金を支払う時に源泉税を差し引いて入金してくれても、実はその差し引いた源泉税を納付していないというケースが散見されます。これは税務申告時になるまで気づかないケースが多いですので、源泉税の納付状況はこまめにオンラインで確認する必要があります。

インボイスが来ないので税納付が遅延する

税申告や税納付をしないというようないい加減な業者が多いところに、インドのおおらかな国民性も相まって、取引先からのインボイスが毎月の締めのタイミングに間に合わないというケースがよく見られます。

さらに、そんなおおらかな国なのに毎月のサービス税(これも消費税の一種)や源泉税の納付期限は翌月5日や7日など日本よりずっと厳しいですので、納付が遅れることによる遅延利息が生じることもしばしばです。日本の感覚ですと、税納付が遅延するとなるとたとえそれが1ルピーであっても大ごとですが、インドではよくあることですので、そのあたりを事前の本社への理解を得るのが大変です。

このあたり現地ではどうしようもないことなのに、日本本社経理部から大目玉をくらう駐在員の方がいらっしゃるので、事前にしっかり調査しておきたいですね。

まとめ

 インドの税務関連のコンプライアンス意識は低いため、現地ローカル企業との取引が必要な会社は、事前に日本本社の了承と「証憑(事実を証明するよりどころのこと)がなかった時」の準備をしておく必要があるでしょう。

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<プロフィール>

野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士

大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。

事務所HP:http://in.nacglobal.net/

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