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【外国企業との交渉術(英語表現など)】交渉戦術を効果的に使い、合意に導きましょう

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海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。

シリーズ4回目は本番での注意事項その2です。交渉の王道はなく、状況に応じてどう使うかを考えます。交渉の最後には合意した事項を双方で確認しましょう。

想定外のことに役立つ戦術、状況を見て使い分けましょう

交渉で役立つ戦術(その2)

交渉が行き詰まってしまったら・・・

交渉が行き詰まることがあります。北風と太陽ではありませんが、無理矢理に動かそうとすると更に対立的な状況に陥ってしまいます。そういう場合には質問で打開します。

その質問は前回紹介したようなW/H系のうち”What”で建設的な意見交換をします。重い雰囲気になった場合に”Why”の質問をすることは得策ではありません。相手方に「理由」を問うことになり、守りの態度を更に硬化させることになりかねません。”What”の質問は、具体的な事実、他のアイデアなどを掘り起こすきっかけになります。”Why did you decide that?”(なぜそのように決めたのですか?)と聞くよりも、”Could you tell us what made you decide that?”(何が貴方にそのような決定をさせたのかお話頂けますか?)と聞く方が、相手方にとって何か別の力が働いてそのような判断をせざるを得なかった、というような逃げ道を用意することになり、友好かつ建設的な回答を得られることにつながります。交渉の途中で場の雰囲気を読みながら、Whatの質問を適宜混ぜて話を進めることがよいでしょう。

共同作業

相手方と共同作業を行うことで交渉を友好的に進めることもできます。同じ釜の飯ではありませんが、共通の努力を行った仲間として話を進めることができます。例えば、双方の優先事項が異なる案件の場合は、付箋などにアイデアを書きながらホワイトボードの前で両者の会議参加者がわいわいがやがやと作業することで解決案を見出すこともできます。全てに万能ではありませんが、付箋は用意しておきましょう。

自身の見解を第三者の見解や経験談として伝える

面と向かって交渉している相手から言われるよりも、第三者の経験談や意見として伝えられる方が受け入れられやすいことがあります。これは広告宣伝でも使われている戦術です。”I can tell you that there are 3 main features with our product/service.”(私共の製品・サービスには3つの特長があります)と伝えるよりも、”I have heard that many customers in country X are happy with our product/service because of ABC.”(X国には私共の製品・サービスのABCという特長に満足頂いているお客様が沢山いらっしゃる、ということを聞いています)と伝える方が実績に裏付けられた情報として評価される可能性が高くなります。

対立したら双方のパイを広げる方法を考える

交渉はWin-Loseではなく、Win-Winであることが基本です。双方が協力してパイを大きくする、双方にメリットがある方法を考えます。この場合は、「はったり」、「二者択一」の交渉術は得策ではありません。具体的な話を行う、できるだけ多くの情報を共有する、話し合いを客観的にとらえる(努力をする)、ことが重要です。先に述べた「共同作業」と組み合わせると効果的です。

言いたいことを3つに絞る

説明がだらだら続くと、聞く方はうんざりします。しかし事前に「論点は3つあります。1つ目は・・・」というように説明されれば頭に入りやすくなりますね。”There are 3 points I would like you to remember our strength. First point is….”(当社の強みについてお伝えしたいのは次の3点です1つ目は・・・)と伝えることで相手方は強みを数えながら聞いて理解することができます。ただしこの数も3つが適当で、7つ以上になると人は途端に覚えることが難しくなりますので要注意です。

クロージング

合意の確認

交渉の最後には合意の確認、および合意事項の確認を行います。”I feel both parties are now in agreement.”(我々両者は合意したと思います)ということで合意の確認を行います。

文書化を行う

合意事項を文書化します。文書は議事録、あるいは契約書の場合もあります。”We have an agreement, so let’s try getting this on paper.”(合意に達したので、これを書面にしましょう)と相手方の確認を求めます。

書面作成担当を決める

双方で確認しますが、できる限り当方で文書作成することがよいでしょう。契約書を含め、書面作成側が主導権を握ることが多いようです。”We are happy to prepare a first draft.”(初稿作成は私共が喜んで担当させて頂きます)と主導権を握りましょう。

まとめ 

交渉戦術に万能なものはありません。状況に応じて使い分けましょう。合意したら合意事項の確認を行い、その内容を書面化します。当方が原稿作成を引き受けることをお勧めします。

▼シリーズバックナンバー

第1回 【外国企業との交渉術】相手に合わせた交渉スタイルを
第2回 【外国企業との交渉術(英語表現など)】譲れない線は?代案は?相手はどう出てくる?
第3回 【外国企業との交渉術(英語表現など)】はったりも使いようです

【プロフィール】

合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし)

大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングサービスを、ジェトロや中小機構などの公的支援機関および民間企業向けに提供している。

URL: https://sub.toro-llc.co.jp/

 

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