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【国内向けと何が違う?】たとえば見積りでは、こういうことに注意します

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海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。

 

今年も異動や配属の季節がやってきました。新たに貿易や海外部門の仕事に就く人も多いと思います。国内向けの仕事とはこういうことが違うのか、という例をあげながら説明しますので、早く業務に慣れて頂ければと思います。

 

 

買主が支払う金額はどこまでですか? (国内と貿易の比較)

 

出典:合同会社トロ資料

 

 

買主が払う金額は?

日本国内と海外向けで違うところは、まず税金です。国内向けでは買主は消費税を支払います。売主としては見積りに消費税を明記しないといけません。

海外向け、つまり輸出の場合、海外の買主は日本国内の商取引に課税される「消費税」を支払う必要はありません。ということは海外の買主向けの見積りに消費税を記載する必要はない、ということです。

一方で海外の買主は輸入関税と輸入後の付加価値税(日本の消費税に相当、VATと称することが多い)を支払います。ただし貿易において、売主から買主への見積りで買主国の輸入関税やVATまで見積もるケースは非常に稀です。通常は、売主国の港湾までの費用を含んだ価格(FOBやFCAという条件)、買主国の港湾着までの費用すなわちFOBやFCAに船や飛行機の輸送費および貨物の損害保険料を加えた価格(CIFやCIPという条件)、で見積もります。FOB横浜、FCA成田、CIFホーチミン、CIPシカゴ、などの場所を明記して、その後に金額を書きます。FOB Yokohama JPY1,000,000.というように記載します。

 

輸送費については、日本は周囲を海に囲まれているので輸送手段が船か航空機になります。輸送費を直接負担するのが売主か買主かは商談の中で決めます。売主負担ならばCIFやCIP、買主負担ならばFOBやFCAで見積ります。

【インコタームズ 11条件】https://blog.conocer.jp/haga-incoterms02/

 

外国向け見積り通貨は米ドルでないとダメですか?

そんなことはありません。売主と買主が合意すれば日本円でも第三国の通貨でもかまいません(銀行の為替窓口で扱っていない通貨は避けましょう)。

日本円以外の通貨で取引する場合には為替リスクに注意します。為替予約でリスク対策をします。

外国通貨の見積りで注意しなければいけないことに、金利があります。貨物を出荷した後に売上代金を回収する場合、売上から入金までどのくらいの日にちがあるかによって見積りに金利を計上しないといけません。

たとえば米ドル金利が年6%と仮定します。決済条件が船積み日付から60日後に銀行送金による入金(売主にはこのような条件はお勧めしませんが)とします。この場合は60日間入金が無いので、その期間分の金利を見積り価格に含めておきます。つまり、年間6%の金利ならば60日間では1%の金利相当額を見積りに加算しておく、ということです。

 

後払い取引は売主にとって回収リスクがあるので、商談交渉の途中で買主の財務状況を調べるなどの信用調査をすることが非常に大切です。

 

 

見積りに記載する内容は?

商売に国内も海外もない、と言いたいところですが、基本的な記載事項に大きな違いはないものの、意識しておく箇所は次のようなことです。

  • 輸出価格に日本の消費税を含める必要はありません(上記1)。
  • 輸送方法は、船か航空機です。
  • 通貨を明記します。日本円ならばJapanese YenあるいはJPY、米ドルならばUS DollarあるいはUSD、のように記載します。
  • 決済方法では「当月末締め翌月末指定銀行口座宛送金払い」というものは海外との取引きでは見かけません。請求書(Invoice)日付からxx日以内に指定銀行口座宛送金、船積日(専門用語でB/L date)からdd日以内に指定銀行口座宛送金、あるいは(貨物の引渡証である船荷証券B/Lを担保とした)信用状による決済、というような方法を記載します。

【日本の商習慣との違い 決済時期】https://blog.conocer.jp/haga-business-practices01/

  • 納入条件は受渡し条件とも言い、前記のFOBやFCA条件などのことです。
  • ここには記載してありませんが、くれぐれも見積有効期限の記載をお忘れなきように。見積りが永遠に有効などありえないので、しっかり記載します。

 

出典:合同会社トロ資料

 

 

まとめ

海外との取引きでは、日本国内向け見積りとは違った配慮が必要です。日本の消費税は日本国内向けだけ、海外向けは通貨や金利にも注意を払う。後払い(出荷後の入金)取引では未回収のないよう、事前に取引相手の信用調査を行います。

 

【プロフィール】

合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし)

大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングや研修サービスを、民間企業およびジェトロや大阪商工会議所などの公的支援機関向けに提供している。これら機関向けセミナー実績も多数有する。

メール:info@toro-llc.co.jp

URL: https://haga-school.thinkific.com

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