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【外国企業との交渉術(英語表現など)】譲れない線は?代案は?相手はどう出てくる?

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海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。

シリーズ2回目では商談や交渉の準備について説明します。商談の成否はどれだけ時間をかけて丁寧に準備をしたかで決まる、と言っても過言ではありません。

では、何をどう準備すればよいでしょうか。

スポーツのように事前の準備が勝負です

商談や交渉のゲームプランを立てる

商談や交渉はスポーツに似ているところがあります。すなわち、こちらの力と相手の力を客観的に評価・分析して、どのような強みと弱みがあり、こちらはどのように攻撃と守備を行い、相手はどのように仕掛けてくるかを予想した上でゲームプランを立てて練習する、ということです。もちろん試合中(商談・交渉中)に様々な想定外のことが生じるので、ゲームプランの修正も必要になります。

商談や交渉に臨むに当たっては次項を念頭に、必要な行動をとります。

  1. 優先順位付け(課題、交渉で達成したい事項を全て洗い出し、順位付けを行う)
  2. 代案作成(合意に至らない場合の代案を作成する)
  3. 合意できる条件の範囲(最終的に譲歩できる範囲を決める)
  4. 検証(こちらの提案を相手がどうとらえるかを推測、想像する)
  5. 手順(交渉手順や流れを大まかにとらえ、予行演習する)

特に重要なことは、

  • 事実・データに基づいた議論を試みること(事前調査が重要)
  • 双方にメリットをもたらす解決策を見出すこと
  • 劣勢になったら、新たな情報(代案)を出して相手に再考を求めること

です。そのために事前の情報収集で引き出しを沢山持っておく必要があります。事前の情報収集はジェトロJ-Fileで国の経済概要や商習慣、業界紙誌やウェブでの検索、競合他社ウェブの当該国代理店情報、展示会出展業者や業界団体、などから入手することができます。

もちろん、商談や交渉相手の信用調査は前もって終えておきましょう

資料作成

当日使用・配布する資料(handout:ハンドアウト、と言います)は、相手がどのような背景を持つかによって内容を変更する必要もでてきます。外国企業相手の場合、まず結論を、その後から理由を述べる、という論理構成は米国などアングロサクソン系(米英豪加)には有効ですが、欧州系企業には逆効果のこともあります。

アングロサクソン系企業の文化は「どうやって(How)」という応用優先の思考法です。欧州大陸および中南米系企業は「なぜ(Why)」という原理優先の思考法です。商談や交渉相手がどちらの思考法の文化なのかによって資料の味付けを変えることが必要です。

中国などアジア系企業の場合は西洋の思考法と異なります。日本の場合もそうですが、全体像を理解した上で個別課題に取り組むのが自然な流れです。言わばマクロからミクロへというのがアジア的な思考法です(封書の住所宛先もマクロからミクロです)。西洋の場合はミクロからマクロですね(封書の書き方もミクロからマクロです)。

こうした考え方の違いを理解した上で資料の作成、商談や交渉に臨むことが大切です。

交渉でよく使う英語表現など

MeetとSee

Nice to meet you.とNice to see you.何がどう違うのでしょう?Meetは初対面に、Seeは既知の相手に使います。初めての商談なのにNice to see you.ではおかしいということです。Meetは初対面を意識して「会う」、Seeは(既に会ったことがあるので)「無意識に会える」というイメージです。

No, thank you. I’m just fine.

商談開始前に「飲み物は?」と聞かれることがあります。いらない場合には No, thank you.と言って断るのが普通です。これに、I’m just fine.を付け加えると「どうぞ、お構いなく」という意味になり、相手のことを配慮する人ということで好感度がアップすることでしょう。

欧米では「ミルクや砂糖を入れますか?」ということを聞かれますが、インドや東南アジア辺りだと虫歯になりそうな甘さの飲み物がほぼ自動的に出てくるので、甘いものが苦手な人はNo sugar, please.ということを伝えましょう。

名刺はBusiness card

ビジネスの場で使う名刺は、Name cardではなくBusiness cardが正しい英語です。もっとも、最近のアメリカではBusiness cardを持っていない人もいて、SNSアカウントなどをその場で交換というケースもあります。東南アジアでも、email addressを持たずSNSアカウントで仕事をしている人も増えてきています。そういう場合は、セキュリティに十分注意してコミュニケーションをとりましょう。

Pros and cons

メリット・デメリット、賛否、強み・弱み、損得、といった反対概念の比較をする時は Pros and cons(プロス・アンド・コンズと発音します)というフレーズを使います。

Handshake

欧米では握手は初対面の挨拶、あるいは商談や交渉の最初に交わされます。実は取引成立の場合にも握手はとても重要な行為です。The deal is closed with a handshake.「握手すれば契約成立」ということです。相互の意思確認を行うという儀式ですから、特に締めの握手では相手の目をしっかり見て力を入れた握手(a firm handshake:固い握手)を心掛けましょう。A limp handshake(リンプ・ハンドシェイク:力のない握手)は嫌われます。ちなみに「握手をする」はshake hands(handは複数)です。

まとめ

交渉事項の優先付け、代案、当方提案、相手の主張の推定、交渉手順と予行演習、を事前に行います。事実やデータに基づき、相手にとってのメリットを考え、劣勢を跳ね返せる代案の準備が重要です。話の筋道は相手の思考法を考慮して組み立てます。既に知っている英語フレーズでも、商談で使う場合の意味を考えて使いこなしたいですね。

シリーズ3回目の次回は、交渉の本番について説明します。

▼バックナンバー

第1回  【外国企業との交渉術】相手に合わせた交渉スタイルを

【プロフィール】

合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし)

大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングサービスを、ジェトロや中小機構などの公的支援機関および民間企業向けに提供している。

URL: https://sub.toro-llc.co.jp/

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