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【海外展示会・見本市の活用】来場者情報収集と分析

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海外展示会イメージ

海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。

展示会では多くの人がブースに来てくれた!名刺交換も沢山した!立ち寄ってくれた人の情報もバーコードリーダーでばっちりだ!

でも、それで今後の商談につながる情報が手に入ったのでしょうか?欲しかった情報はそれですか?

出会った人すべてに同じような商談可能性があるわけではありません。商談可能性を判断するための材料(情報)をきちんと聞き出し、それに応じてランク付けを行うことで今後のフォローを実りあるものにできます

具体的に見て行きましょう。

情報収集の三種の神器とは?

1. 三種の神器、効果のほどは?

国内外の展示会で結構見かけます。さて、効果のほどは?

1)名刺集め

ブースに立ち寄ってくれた人との名刺交換、もちろん重要です。
でも名刺集めだけに終始していては宝の持ち腐れ。
その人とどんな5W2H(Why/What/Who/When/Where/How/How much)の話をしましたか?

名刺交換の1シーン(海外展示会にて筆者撮影)

2)  バーコードリーダー

ブース前の魅力的なスタッフ。手にするバーコードリーダーで次々と来場者情報をスキャンして行きます。
さて、その情報だけで商談可能性が分かるでしょうか?

3) アンケート

ペンなどの販促品と引き換えでアンケートに記入する。よく見る光景です。

で、来場者が記入するアンケートの内容をどこまで信じてよいでしょうか?英語でアンケートに記入してもらいますか?記入する人の英語力はどうでしょうか?英語以外の言語で記入されたらどうしますか?字は解読可能ですか?タブレットでアンケートしても、こちらが用意した質問以外のことはわかりませんね。

スタッフによる来場者情報収集(海外展示会にて筆者撮影)

立ち話情報が貴重

2.情報の分類

集めた情報は大まかに2つに分けられます。

1)不変の情報

名刺から分かる会社名、部門、氏名、連絡先(住所、メール、電話)は基本的に大きな変化のない情報です。バーコードリーダーからは主にこれらの情報を入手できます。

2)流動的な情報(ビジネス情報)

どんな業界の企業か、今困っていることや解決したいことがある・それはこういうこと、が入手できると今後の継続商談が大きく見込めます。

また、当社の展示や陳列内容に関する質問から先方の関心事項を読み取ることができます。

1日に何十人、何百人と出会う展示会では、きちんと記録しないと貴重な情報が思い出せなくなります

3)記録に残す

前項2)で情報交換した内容はどうしてますか?名刺に書いてますか?

でも、いい商談候補ほど名刺には書ききれないくらいの情報を与えてくれます。脳の記憶が新鮮なうちに別紙に要点を書いておきましょう。頂いた名刺はその紙にホッチキス止めすればOKです。忘れずに書いておきたいことは、いつ(何月何日何時何分頃)です。人の記憶は時間に沿っています。その人がどんな服装だったか、何か強烈な印象があればそういうことも書いておきましょう。もちろん記録の主体情報は5W2Hです。

話が盛り上がった人とは一緒に当社ブースで記念撮影するのもいいですね。写真はすぐにその人に送りましょう(今後の連絡のためのメールアドレスやアカウントも確認できます)。

確度や可能性の評価と分類

3.来場者情報の評価

展示会期間中に出会った人の数ほど商談可能性はあるのですが、すぐにものになりそうな相手、ただの情報交換だけの相手など様々なレベルがあります。毎日展示会終了後にレベルごとの仕分けをしておきましょう。展示会期間中に仕分けをしておかないと帰国後のフォロー活動が残念なことになりかねません。
例えば、次のような仕分けも1方法です。もちろん企業さんごとに判断基準が違いますので、どういう基準にするかは社内でよく話し合ってください

***
Aランク:半年以内に成約しそうな案件(具体的に困っていることがはっきりしており、解決のための予算も確保している様子)

Bランク:今すぐの成約はなさそうだが、1年以内に成約しそうな案件(なんとなくうまくいっていない事項があり、解決のための相談相手がいればいいな、という段階。予算化はまだの様子だが、当社からの継続的コンタクトでAランクになりそうな案件)

Cランク:1年以内の具体的な相談もなさそうな案件(困っているような話はないが、当社の客先に共通する業界の企業、あるいは当社競合の製品やサービスを利用している、などの案件)

Dランク:対象外(当社客先との共通点が見られない業界、情報収集だけの来場者、など)
***

まとめ

情報は貴重です。名刺交換で終わるのではなく、その人とどのような話をしたのか、今後の成約可能性はありそうか、成約可能性はどのくらいか、それはなぜか、ということを展示会期間中(できれば毎日終業時に)きちんと記録に残しましょう。そしてランク別仕分けをしておきましょう。

シリーズ6回目の最終回は、事後フォローについてお話します

▼バックナンバー
第1回  【海外展示会・見本市の活用】メリットとデメリット
第2回  【海外展示会・見本市の活用】露出と知財保護
第3回  【海外展示会・見本市の活用】集客のヒント
第4 回 【海外展示会・見本市の活用】ブースでの人の役割

【プロフィール】
合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし)

大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングサービスを、ジェトロや中小機構などの公的支援機関および民間企業向けに提供している。
URL: https://sub.toro-llc.co.jp/

 

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