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ビジネスにも影響があるインド人の「宗教観」(公認会計士 野瀬大樹)

      2017/09/14

もう時期的にはすっかり春めいてきましたが、日本でいう冬の期間に出張が重なると、日本とデリーの寒さと、南インドの暖かさの差で、体調を崩しがちになります。広いインドは国内でも気候に非常に大きな差があり体調管理が大変です。一方、広い国土と多くの人口、そしてその長い歴史から非常にたくさんの宗教も存在します。今日はそのインドの宗教についてお話ししたいと思います。

ヒンドゥー教徒

インドで最も多いのはヒンドゥー教徒で約7割に上ります。牛を食べてはいけない、またカースト制度など日本で有名なインド人観の多くは、このヒンドゥー教から来ています。キリスト教やイスラム教とは異なり多神教で、先進的と言われるデリーでもいまだに家に神棚を置いている人は多いです。

イスラム教徒

インドにおいてイスラム教徒の比率は15%程度になります。そのため総人口は多いものの「最もイスラム教徒が多い国」という称号はインドネシアに譲る形になります。ただ、それでも世界2位のイスラム教徒を抱える国です。パキスタンとの問題もあり、ヒンドゥー教徒とトラブルがあるのも事実です。有名なタージマハルはイスラム様式で作られたお墓です。

シク教徒

日本人がよくイメージするターバン≒インド。このターバンを巻いてるのが、シク教徒です。彼らは教義上髪の毛を切ることができないので、ものすごい長髪。そのためターバンで頭を巻いて髪を収納しているのです。肉を食べることに制約がないので体形が大きな人が多いです。

仏教徒

仏教発祥の地インドですが、インドには仏教徒はほとんどいません。なくなったというよりは「ヒンドゥー教の一部に取り込まれた」と言うほうが正確かもしれません。その意味では神仏習合があった日本と同じかもしれませんね。「インド人は皆仏教徒だ」と日本人は思っていますが、神仏習合を説明するのは毎度難しいです。

これでもごくごく一部です。他にもキリスト教徒やジャイナ教徒など様々な宗教を信じる人がいます。

何がむつかしいかというと、そういう様々な宗教の人が集まる会社のような組織の運営です。小さい規模の弊社でも、例えば一人ジャイナ教徒の会計士がいます。彼は宗教の関係上一切の肉はもちろんニンニクを食べることもできません。月に一度の会社全員での食事会や、残業が必要な時にケータリングを注文するときなどの意見の集約がむつかしいです。

また、ヒンドゥー教徒の従業員とイスラム教徒の従業員で休日が違ったりします。このあたり誰にどこまでの休日を認めるかも本当に面倒なところなので、雇用契約書上の文言をアレンジするのも一苦労です。食事も休日も統一できる日本という国は本当に効率的に組織運営ができる社会だといつも痛感します。

またインド人は、私たちが思っている以上に宗教行事を大切にします。信仰に篤い(ようにみせかける)ことがクールだと思われている節があります。それなら、もっと「列も抜かさずキチンと並ぼうよ」と日本人の僕はいつも思うのですが。

まとめ

 インドでは約7割がヒンドゥー教徒だが、それ以外も多数の主教が混在する。食事や休日の取り扱いが違うので注意が必要。またヒンドゥー教徒とイスラム教徒の仲が悪いケースがあるので、マネジメント上は注意が必要。

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プロフィール

野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士

大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。

事務所HP:http://in.nacglobal.net/

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