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第2章④ 貿易のL/C決済におけるB/L直送条件

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前回は、貿易取引で利用される決済条件について説明しました。今回は、安全なL/C決済において、落とし穴となる可能性が高い「オリジナルB/L直送条件」について解説していきます。

前回の記事はこちら

 

▼目次

オリジナルB/L直送が要求される背景および理由

L/C決済条件における荷揚げ地での貨物引取りは、輸入者がL/C開設銀行経由で入手した船荷証券(オリジナルB/L)を提示して引き取るのが原則です。
ところが、この原則に反してオリジナルB/Lを買主宛に直送するように要求される場合があります。この場合、買主はオリジナルB/L(3通)のうちの1通(あるいは3通全部)を買主に直送(あるいは荷渡許可条件付船長託送)します。このような「L/C決済におけるB/L直送条件」が求められるケースは主に下記3パターンあります。

(1)荷揚げ地保管料の削減

貨物の荷揚げ地到着がオリジナルB/L入手より早い場合、貨物は荷揚げ保税区に一旦保管されます。荷揚げ地の規定により異なりますが、保税区の保管期限が短く、これを超えると高額の保管料が請求される場合があるため、買主としては少しでも早く貨物を引き取りたいという状況が生まれます。

(2)銀行保証差入れが困難

同様の場合、国際的慣例手続きとして、買主が銀行保証差入れにより貨物を引き取ることができます。しかしながら、買主に信用力がない場合、銀行保証発行に際し銀行から担保提供を要求され、これに対応できないか、又はこの費用負担を嫌ってオリジナルB/Lの直送を要求してくる場合があります。

(3)仲介貿易でのL/Cの早期ネゴ入金

主に仲介貿易で、貨物が仲介貿易国を経由せず、かつ航海日数が短い場合に、仲介貿易者が買主開設のL/Cを早期にネゴシエーション(銀行による荷為替手形の買取り)するため、オリジナルB/L直送を求める場合もあります。

※決済条件に関する過去記事(【5分で分かる】貿易取引の決済条件とは?決済条件の仕組みと種類)はコチラ

オリジナルB/L直送条件のリスク認識

通常のL/C決済では、銀行による決済後に買主が貨物を引き取ることになりますが、オリジナルB/L直送時には、決済の実行前に買主が貨物を引き取る可能性が強いことになります。
最終的に、銀行から何らかの事情でL/C決済が拒否された場合、貨物はすでに買主に引き渡され、事実上、取引先に対し掛売り(open term)で販売したことと同一となります。最悪の場合は、買主の経営悪化あるいは倒産により、不良債権の発生につながるリスクも考えられます。

したがって、L/C決済におけるオリジナルB/L直送条件を許容する場合には、売掛金回収リスクが発生する可能性を考慮し、取引先の信用力の十分な調査のうえ慎重に対応すべきです。

対応策

特に新興国との商売のL/C決済においては、本来、オリジナルB/Lの直送は回避すべきですが、有効な代替策あるいは保全策もなく、また、これに固執しての取引を推進するには限界があり、ある程度容認せざるを得ないのが実情と言えるでしょう。
その際、重要なことは、荷渡し後T/T送金、D/A決済と比較すればリスクは小さい決済条件であるが、通常のL/C決済よりはリスクが大きいため、オリジナルB/L直送に対するリスク認識をもつことが重要です。
また、リスクの根源は、結局取引先の信用リスクであり、事前の十分な取引先の信用調査、業態把握を徹底し、下記のような注意点を踏まえつつ、オリジナルB/L直送条件の容認可否を判断することが求められます。

1)TraderへのB/L直送は極力回避

新興国との取引はトレーダー経由のものが多く、またトレーダーは資金力に乏しい先が多いのが実情です。オリジナルB/L直送を容認する場合にも、最終需要家と直接の資本・人的関係があるか、又はこれに準ずる強固な関係がある先に限定するなど慎重な対応が必要でしょう。

2)L/C開設銀行の特定を交渉

信用リスクの低い日本、欧米、香港等の有力銀行とするべく交渉し、現地の中小銀行は極力回避し、それらを起用する場合でも、当該銀行の信頼性を十分に吟味する必要があるでしょう。

3)L/Cの早期入手

L/C決済条件は、取引先の信用補完として、L/C開設銀行が輸出者に対し、L/Cで要求する書類(B/L等の船積み書類)と引換えに取引先に代わって支払うことを約束しているもので、貿易決済の最も代表的な手段です。しかし、近年の経済のボーダレス化あるいは通信、輸送手段のスピード化、多様化により、銀行を経由した決済事務処理と貨物の受渡しに関連が薄れつつあり、必ずしも従前のような確実性を期待できなくなっています。

4)B/L内容の早期チェック

船積み後のB/L入手、開設銀行への持ち込みを遅滞なく行い、記載内容不一致(ディスクレ)の有無を早期に確定し、万一、不一致発生の場合は、即座に対応措置を実行することが必要でしょう。

以上、貿易のL/C決済におけるオリジナルB/L直送条件の実行についての留意点を挙げましたが、これらはいずれも補完的な対策にすぎません。やはり、基本は取引先の信用リスクの把握であり、事前の徹底した業態把握によるオリジナルB/L直送の可否判断がポイントであることを覚えておいてください。

次の記事はこちら→第2章(5)貿易取引の受渡条件

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