「ダン・レポート(世界中で最も利用されている海外企業調査レポート)を取得したものの、読み方が分からない!」
「そもそも、海外信用調査レポートで、どのような情報が分析できるの?」
情報の分析には、数字に表わせない情報を分析する「定性分析」と、財務諸表等の数字で把握のできる「定量分析」の2種類があります。企業の分析・審査を行う上で、定性・定量情報のバランスの良さ、費用対効果の効率性という点では、信用調査会社(興信所)の企業調査レポートが優れていると言えるでしょう。
今回は、企業調査レポートには企業のどのような情報が載っているのかを説明します。
◇本記事で学ぶ内容◇
・企業調査レポートの企業の概要とポイントが分かる
・調査レポートを活用するとはどういうことかが分かる
▼目次
調査レポートの概要について
調査レポートを取得する事によって①企業概要、②財務情報、③信用情報の大きく3つの項目を把握することが可能です。今回は、①企業概要の項目及びポイントを見ていきたいと思います。
海外企業信用調査レポートサンプル
企業概要についてのポイント
調査レポートに記載される企業概要の項目およびポイントは以下の通りです。
①事業内容
業種、事業内容、工場仕入先、販売先など、運営する事業についての情報が記載されています。
ポイント
→対象企業の業歴、従業員数、事業内容等を確認します。また、取扱い製品、工場や事業所の所在地、仕入先及び販売先の記載から商流を把握する事も重要なポイントです。
②株主・親会社情報
主要な株主・親会社の名称および株式保有比率についての情報が記載されています。
ポイント
→実質的に株式を保有しているのは誰かを確認します。過半の株式を所有する法人(親会社)がいる場合、親会社の業績、財務状況等は対象企業の信用状態に大きな影響を与えますので、必要に応じて親会社の調査を行う場合もあります。
③役員・経営者情報
経営陣についての情報(氏名、国籍、生年月日等)が記載されています。
ポイント
→実質的に経営権を握っている経営者は誰かを確認します。特に、同族企業の場合は経営者の年齢及び後継者の有無、企業グループに属する企業の場合は企業グループ内の役員の兼任関係などを確認します。
まとめ
今回は、調査レポ-トに記載されている企業概要について確認しました。
親会社との関係や、対象企業の商流把握など、調査対象企業そのものだけでなく、より多面的な視点で見ないと本当のリスクは把握できないということを学びました。取引先の突然の倒産なんて事態に巻き込まれないためにも、調査レポートを活用し、より広い視野で取引先の把握を行いたいものですね 。
☆次回は「信用調査レポートの財務情報の見方」について学んでいきます。
<調査レポートをより活用するために>
①レポートを使い分ける
一口に調査レポートと言っても種類は複数あり、特徴や得意とする国なども変わってきます。それぞれの特徴を把握し、使い分けることが重要になります。以下のサイトにて代表的な調査レポートの概要を解説しています。是非参考にして下さい。
→ダンアンドブラッドストリート(D&B)社の信用調査レポートについて
②定期的にレポートを取り付ける
企業の実態は時間の経過と共に変わります。今は優良企業であっても、将来も永続的に優良企業である保証はどこにもありません。一度レポートを取ったからと安心せず、少なくとも年に一度はレポートを取り、取引先の企業の変化をしっかりと見ておくことが重要になります。「何かあってからでは遅い」をいつも頭の片隅に置き、レポートを定期的に活用していきましょう。