日本企業の与信・債権管理を総合的に支援する弊社(三井物産クレジットコンサルティング)がお届けする海外企業信用調査レポート解説シリーズの第4回です(第1回ACPレポート編)(第2回コファスレポート編)(第3回エクスペリアンレポート編)(第5回クレディセイフレポート編)。
今回は、世界で最も有名な海外企業調査レポートである「ダンレポート」の特徴や活用方法についてご紹介いたします。
▼目次
ダンレポート(D&B)の特徴は?
「ダンレポート」は、米国の信用調査会社であるDun & Bradstreet(ダンアンドブラッドストリート、D&B)社の企業調査レポートです。D&Bは世界200ヶ国以上、2億件以上の企業情報を有する世界最大級の信用調査会社であり、かつて通信員(クレジットレポーター)として、あの第16代アメリカ大統領『リンカーン』氏が働いていたという逸話で有名な伝統のある調査会社です。
過去には日本に進出し、東京商工リサーチ(TSR)社と合弁会社を設けて営業展開していましたが、現在は撤退し、日本事業はTSRが引き継いでレポート提供をしています。
料金は、国・地域ごとに異なりますが、スポット利用の場合、20,000円/件(米国)~で利用可能です。納期は既存レポート有りの場合は即時、新規調査の場合は約2週間~1ヶ月ほどで提供されます。もちろん日本語への翻訳サービスにも対応しています(別途「tsr-van2」の契約が必要)。
ダンレポート(D&B)で収集できる情報は?
国によって、収集可能な項目や情報量に差がありますが、基本的には下記のような内容が含まれます。
- 企業概要(Heading)※D-U-N-S® Numberを含む
- 特記事項(Special Events)
- 格付けの根拠と履歴(Summary Analysis)
- 沿革(History)
- 事業内容(Operation)
- 支払振り(Payments)
- 財務情報(Finance)
- 銀行取引(Banking)
- 公的届け出事項(Public Filings)
また、レポートには通常の「ダンレポート」に加え、財務指標や業界情報などの取得が可能な「コンプリヘンシブレポート(※)」もありますので、利用目的にあわせて選択することが可能です。
(※)収録情報は国・地域によって異なります。
ダンレポート(D&B)の活用方法とは?
○支払振りの評価スコア(ペイデックス)をチェック
例えば、アメリカの場合、非上場企業(Private Company)の決算情報を調査レポートで取得することはほぼ不可能と言ってよいでしょう。そのため、直近の支払振り情報(Payments)の確認が重要です。
ダンレポートでは、ペイデックス(Paydex)と呼ばれる支払振り評価スコアを提供しています。これは、過去12ヶ月間の調査企業に関する支払振りをスコア化したもので、1-100までの数値で表現されます。あくまで目安ではありますが、Paydex70~80が適正水準、60切ると警戒、61~70は注意といった具合です。
○「特別な情報」の有無をチェック
通常は記載されない「特記事項(Special Events)」に何か情報がある場合や、「公的届け出事項(Public Filings)」に訴訟(Litigation)、倒産(Bankruptcy)に関する情報がある場合には、内容の精査が必要です。
○こんなご利用シーンに最適!
① 自社の取引先に占める北米(米国・カナダ)、中近東・アフリカ企業の割合が大きい方
② 既に海外企業信用調査レポートを利用しており、他の情報ソースを検討中の方
③ 貿易保険・取引信用保険の申請書類として信用調査レポートを取得したい企業
ダンレポート(D&B)レポートの利用方法
海外取引リスク管理ツール「CONOCER(コノサー)」では、海外企業の情報収集・与信判断に便利な「ダンレポート(D&B)」を、会員価格で1件から購入することが可能です。また、レポートの翻訳や付帯情報(アジア市場情報や国情報)もあわせて取得いただけます。詳しくはお気軽に弊社までお問合せください。
また、弊社では三井物産グループの商売で培ったノウハウを活用し、国内・海外取引信用保険のご相談(商品紹介、見積等)にも対応しております。あわせてどうぞご相談ください。
▼「ダンレポート(D&B)」を1件から取得できる海外企業の信用調査サービス「CONOCER」▼
★おすすめ記事 → 【海外企業調査レポート】プラスαの活用方法