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【日本の商慣習との違い3 流通】上代・下代(じょうだい・げだい)

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海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。

日本を含め多くの国では、メーカーによる再販売価格の拘束すなわち「定価」は、独占禁止法により禁じられています。ただ、日本の流通業では小売価格や定価を意味する「上代」という用語が今も使われているため、外国の業者と商談する場合には再販売価格の拘束行為と見なされないよう注意する必要があります。

定価はもはや存在しない

上代・下代(じょうだい・げだい)

「上代(じょうだい)」とは日本において昔から小売価格を、「下代(げだい)」は小売業者の仕入れ価格を意味してきました。しかしメーカーが再販売価格を決める行為は独占禁止法により禁じられ、上代は「メーカー希望小売価格」や「オープン価格」を意味するようになりました。

海外でも「定価」制度はほぼ過去のものになっています(日本を含め、書籍や音楽CDなど著作権に関係する品目に定価制度を適用する国はあります)。

もし「上代」を「メーカー希望小売価格」ではなく「定価」の意味で海外取引相手と交渉するとしたら、その国の独占禁止法に抵触する可能性があります。くれぐれも「定価」(Retail price)ではなく、「メーカー希望小売価格」(Manufacturer’s suggested retail price)として伝えるようにしましょう。

返品制度

日本ではしばしば流通業者からメーカーに対して「返品」されることがあります。「買取り」であっても、実態は商品交換・値引き・返品・委託販売を条件とすることもあります。

海外の業者と「買取り」で取引きする場合には、日本のような条件を言われることは非常に稀です。アパレルなど季節性の強い品物が売れ残ったりした場合には、「双方協力して値引きで完売しませんか?」という要請が来ることもありますが、原則として「買取り」で販売した品物の返品に応じる必要はありません

価格交渉(段階的値引き)

日本の価格交渉ではまず高めに価格提示を行い、その後で段階的に値引きして最終合意に至ることが珍しくありません。アジアでもそのような価格交渉にしばしば出会います。

米国の場合、価格提示は原則として1回です。段階的値引き交渉は行わないのが通常です。値引きをしない代わりに、ある期間内に事前設定した目標購買額に達した場合の値引き(Volume discount、Rebate)という仕組みは使われます。値引きは仕入れ量の関数、という考えです。

次回は日本ならではの表現について説明します。〇△×は外国の人には意味不明です。

まとめ

日本で当たり前の言い方や商習慣が外国では違法と見なされる可能性があります。「上代」や「定価」ではなく「メーカー希望小売価格」という表現を意識しましょう。「買取り」では「返品」という選択肢はありません。価格交渉は、米国向けの場合小出し値引きはせず1回の提示で交渉します。アジアでは日本のような値引き交渉が見られます。

【プロフィール】
合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし) 

 大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングサービスを、ジェトロや中小機構などの公的支援機関および民間企業向けに提供している。 

URL: https://sub.toro-llc.co.jp/ 

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