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【日本の商慣習との違い4 記号表現】〇△×って意味不明?

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海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。

〇△×という記号はそれぞれ、〇=よい、△=まあまあ(中間)、×=ダメ・悪い、を意味します。何をいまさら?という声も聞こえてきそうですが、これは日本だけで通用する表現です。うちの会社はプレゼンテーションで使っている、うちは取扱説明書にこれら記号を使っている、というところもあるでしょう。しかし多くの外国では〇△×を使っても日本のように解釈してもらえません。取扱説明書で誤解を生じるような表記をするとトラブルの原因にもなります。

ではどうしたらよいでしょう?

〇ではなく✔を使う

〇△×はどんな意味?

日本での意味は省くとして、外国人にはどういう意味になるのでしょうか?

外国仕様のゲーム機コントローラーでは、〇はキャンセル、×は決定、を意味します。〇はempty(空)やoffを意味することもあります。パソコンなど電気機器の電源スイッチは〇の上部に縦棒ですが、この〇はオフを意味します。ということは日本の〇と違う意味に解釈される可能性が大ということです。

良くも悪くもない意味の△は、ほとんどの外国人には意味不明な記号です。三角形がどうした?上に向かう矢印か?と思われるのがせいぜいでしょう。

×は✔印に似ているため、状況によってはgoodやOKの意味に解釈されることがあります。一方で否定の意味もあるので、混乱しやすい記号です。

どういう記号を使えばよい?

国により様々な見方がありますが、ネットでよく使われる記号や表現が参考になります。

「良い」「OK」の意味ならば、✔印(チェック)、「いいね」を意味する親指を上に立てたThumbs up記号、が妥当なところです。色で示すこともできます。世界共通の信号の色を使い、良い=緑、どちらともいえない=黄、ダメ・禁止=赤、という表示も通じます。社債の格付けで使われるA+(エイ・プラス)とかB-(ビー・マイナス)のような表記も相手によっては選択肢の範囲です。

「どちらともいえない」中間の場合は、特によく使われる記号は見当たりません。通常、言葉で理由や評価レベルを書きます。言葉にするとacceptやmarginal(限界、ギリギリ)ですが、非英語圏では文字よりも数値で表現する方がわかりやすいでしょう。満点を100、最低を0とし、合格ゾーン・中間ゾーン・不合格ゾーンを数値化して評価するというものです。イメージとしては0度から100度までの寒暖計です。会議出席者全員の理解を確認した上で使用するならば効果的でしょう。

「ダメ」「悪い」意味は、交通標識でよく見られる赤丸に斜め線の表示、NG(No Good)、が妥当です。下向きに親指を向ける印(いいねの逆)もSNSで使われる記号ゆえ、通じる度合いは大きいと言えます。

4段階評価、5段階評価

アンケートで多段階評価をすることがあります。その場合どのような表記がよいでしょうか?好みも含め様々な記載が考えられますが、次のような表記が一般的です。

3段階評価:Excellent(よい)、Good(ふつう)、Poor(よくない)

4段階評価:Excellent(とてもよい)、Good(よい)、Average(ややよくない)、Poor(よくない)

5段階評価:Excellent(とてもよい)、Very good(よい)、Good(ふつう)、Average(ややよくない)、Poor(よくない)

*Fairという表現が使われることもあります。Averageと同程度か、やや下くらいの感じでとらえればよいでしょう。

まとめ

〇△×は日本でのみ通じる表記です。外国での会議やプレゼンテーションの場、取扱説明書などで使用するのは、正しい意味が通じず適切ではありません。相手に理解される表記を使いましょう。世界中で多くの人が利用するSNSの表記なども今後は参考にされるとよいでしょう。

 【プロフィール】
合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし) 

大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングサービスを、ジェトロや中小機構などの公的支援機関および民間企業向けに提供している。 

URL: https://sub.toro-llc.co.jp/ 

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