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新興国リスク【第9回】未来の大国、ナイジェリア。その成長の条件とは?

   

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1950年代より原油が産出されることとなったナイジェリアでは、当時誰もが豊かになれると夢を膨らませました。少なくとも原油の輸出量においては、1971年にOPECに加盟したこともあり、 世界第7位の地位を築くことができました。しかし、政治的には腐敗が蔓延するなど、社会は不安定で、依然国民の7割が貧困に苦しむ状況が続いています。

とはいえ、ナイジェリアはサハラ砂漠以南(サブサハラ)に位置するアフリカ諸国の中でも、とりわけ人口増加の期待が高い国の一つとされています。そのメリットを受け、最後のフロンティアとしての期待が高まり、今後の有望国として注目の集まるMINT4か国(メキシコ、インドネシア、ナイジェリア、トルコ)のひとつとしても挙げられています。

果たしてナイジェリアは期待通りに成長できるのか?新興国シリーズ第9回目の今回は、成長大陸アフリカのトップランナーになる条件とは何かについて、ナイジェリアの実情を見ながら考えてみましょう。

前回記事はこちら

 

 

最後のフロンティア・サブサハラ

サブサハラ40か国からなる地域はサブサハラアフリカと呼ばれています。北アフリカ5か国はアラブ系が主流なのに対し、サブサハラは黒人が多く、アフリカの全人口の8割がこの地域に住んでいます。

このサブサハラアフリカにおいて注目されているのが、経済発展が目覚ましく潜在力の大きな産油国ナイジェリアです。そしてそれに続くのがエチオピアやアンゴラです。

これらの国々は、1990年代までは他国からの援助頼みで経済成長の兆しは乏しく、過剰債務を抱えていましたが、2000年代に入り資源価格が上昇してきたことを追い風に、自立的な経済成長が始まったのです。

これらの国々の負の特徴は、政府のガバナンスの欠如、そして腐敗の横行です。このような国においては、行政・立法はもちろん、司法も未成熟で、個人の財産権が十分に保障されないということが共通する特徴であり、成長の阻害要因となっていると言えます。

その結果、個人がまじめに働き、生活水準を向上させようというインセンティブが働かなくなり、経済的な泥沼から抜け出せなくなっています。まじめに働くよりも、外国人誘拐など非合法的な活動を行う方が、生活向上を図る上で近道だとの考えが蔓延する悪循環に陥っているのです。

 

ナイジェリアの実情

ナイジェリアは、アフリカ大陸において最大の1億7,000万の人口を有し、原油産出量、天然ガス埋蔵量においても最大の規模を有するアフリカ有数の大国です。一方、国内の所得格差は大きく、社会インフラの未整備が国民生活の向上や企業投資促進の大きな妨げになっています。また、徴税システムの不備も国家の財政運営や成長への投資を難しくしています。

実際、世界銀行の「脆弱国家」の定義は、①武力衝突、②感染症リスク、③統治機能不全,④外国人誘拐となっていますが、現在のナイジェリアは、そのすべての条件を満たしていると言っても良いでしょう。

さらに、昨年から勢いづいた原油価格の下落は、世界有数の産油国であるナイジェリアの懐事情を悪化させています。現在は、輸出の95%そして歳入の80%を原油収入に依存しているように、今後も原油価格の動向が、ナイジェリアの運命を左右すると言っても過言ではないでしょう。このような原油価格依存の構造からの脱却と共に、政府のガバナンス体制を確立することや、腐敗を撲滅することが、国として行う最優先課題といえるでしょう。

 

成長への道のり

ナイジェリアにおける一人当たりGDP は3,000ドル程度となっており、右肩上がりの推移を辿っていますが、国としての経済水準は依然低く、貧富の格差が大きいことも特筆されます。事実、教育水準が低く労働力としての訓練がなされていないために、失業状態にある若者が多いことも問題です。

従って、今後の経済成長においては、雇用を創出する製造業や近代的な農業を発展させることがポイントになるでしょう。その実現のためには、今後いかに教育の質の向上の実現と、専門的な職業訓練を行うかがポイントになってくるでしょう。

今後の経済発展に期待が持てる点があるとすれば、多くの若年層が存在していることでしょう。また、それらの人々が都市部に流入し始めており、そこで仕事と収入を得、消費を生み出す可能性があるということでしょう。既に携帯電話が普及するなど、消費市場が育ちつつあるのも明るい材料と言えるでしょう。

これらの豊富な若い人々を目当てに、海外からの新規投資が目立ち始めており、今後このような動きを受け、国内産業が整備されて行くことが期待されます。ただし、アメリカの人口を抜くと言われるのが2050年頃と見られているように、長いスパンで成長を見守る必要があるのではないでしょうか。

 

まとめ

ナイジェリアは、その成長性への期待から世界各国の企業が直接投資を進めており、経済発展のための要素が多様化してきております。今後は、教育の質の向上をふくめ、社会インフラの整備が必要となってくるでしょう。

これらを実現させる上でも、政府機能の向上が何よりも優先されなければなりません。この点こそナイジェリアの成長への必要条件であり、この国の成長が実現されるか、あるいは画餅に終わるかの分かれ目となるでしょう。

 

 

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