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第2章② 貿易取引における海運物流(船積・荷揚げ)の留意点

   

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前回は、貿易の取引条件を交渉する際の留意点を説明しました。今回は、貿易には欠かさすことのできない船積・荷揚げに関するリスクを解説していきます。

前回の記事はこちら

 

貿易におけるインフラ整備状況の重要性

日本を起点とした貿易(輸出入取引)・三国間貿易、アジア域内の取引など、経済のボーダレス化の進展により、取引はますます複雑になっています。
貿易では、船舶による貨物輸送が一般的ですが、特に新興国への輸出の場合、荷揚地のインフラの整備状況が、経済の急速な発展に追い付いていないことがあります。そのため、契約に記載された条件の実務処理が、INCOTERMS等の国際的な慣行とかけ離れた形で行われることがあることに十分注意が必要です。

インフラ未整備の問題を回避するため、受渡条件を選択することにより、法律上のリスクを限定することは可能ですが、現実問題として、新興国の取引先にはリスクの負担能力がないか、そもそも負担する意思がないことから、種々のトラブルが絶えません。

船積みや荷揚げに関連する代表的なトラブル事例を3つほどご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

留意点①:新興国向けL/C取引の落とし穴

新興国への輸出取引では、一般的にL/C決済で行われます。ところが、インフラが未整備なために、荷揚、通関手続がスムーズでなく、銀行の事務処理の遅滞も一因となって、荷揚げ港での滞船問題が発生しやすいことに注意してください。船会社に支払うことになる滞船料を取引先から回収することは難しいため、このリスク認識が必要です。

留意点②:近海貿易の落とし穴

アジアなどの航海日数が短い地域への輸出取引では、輸入者から貨物を早期に引き取りたいと要望され、B/L(船荷証券)の一部直送を条件としてくることが多いです。現地の状況をきちんと把握していないと、思わぬ損失やクレームをこうむる危険があることに注意が必要です。

留意点③:取引先が船会社を手配する場合の落とし穴

取引先が本船を手配する場合、取引先と船会社の関係や、船会社の能力にも注意が必要です。取引先の船会社に対する支払が滞っていたことから、貨物の引渡しを拒否されたり、運賃(Freight)を節約するために信頼がおけない船会社を起用している場合に、B/Lなしで貨物の通関引渡しがなされていたりといったトラブルが発生します。

まとめ

特に、土地勘のない国との商売においては、不測の事態に陥らぬように、船積み・荷揚げ地・通関について、現地の状況を十分に把握したうえでの取引推進が大切です。

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