2017年10月5日、東京・日本橋水天宮前オフィスにて、三井物産クレジットコンサルティング株式会社主催のセミナーを開催いたしました。その様子をレポートします。
【参加者対象者の方】
中国・アジアの営業部門・与信管理部門の責任者様
【講座の内容】
中国・アジアにおける与信管理・債権回収の課題と対応策について、実際の取引事例や最新の調査データを基に解説するセミナーを開催しました。
(開催スケジュール)15:00~17:00 (2時間) ※所要時間およびスケジュールは目安です。
▼目次
【講演①】
アジアで発生している支払遅延の現状について 15:00-15:50
第一部として、コファス CGSジャパニーズ・ソリューションズの杉井氏より、「アジア・パシフィック企業における支払動向の調査結果」「国別の企業情報収集・決算情報の入手環境の現状」「アジア企業との取引における取引信用保険の活用」について講演頂きました。
取引信用保険の専門企業として、グローバルでの支払状況の最先端の情報を収集されている立場から、ロスレシオ(損害率)の傾向についてお話頂きました。アジアの複数国では、受取保険料を超える保険金の支払いが発生してしまったこともあり、特にここ数年間、保険事故は数多く発生していたそうです。
また最近の傾向として、これまでは安全な企業として象徴的な存在だった日系企業でも倒産や保険事故が発生しており、その安全神話が崩れつつあるようです。「日系企業だから大丈夫」と思考停止するのではなく、変化の兆候はないか日頃の情報収集が大切と言えそうです。
杉井氏曰く、海外取引において実効的な債権保全の方法は限られるため、取引信用保険の活用を含めた自社にあった債権保全ポリシーの設定が重要とのことでした。
【講演②】
中国取引事例から学ぶ!海外与信管理の最前線 16:00-16:50
続く第2部では、三井物産株 フィナンシャルマネジメント第四部の松本氏より、「中国・アジアでの与信管理における最新事例」「債権回収トラブル発生時に最も大切な事とは」というテーマについて講演頂きました。
特に中国の与信環境についての変化や中国内取引における問題点、貿易取引における留意点について詳述頂きました。中国では複数の決算書が存在することは有名な話ですが、必ずしも粉飾という訳ではなく、「発票主義」と呼ばれる独自の制度により、そもそも売掛金・買掛金の認識タイミングが異なる場合があることなどを留意点として挙げられておりました。
後半の事例では、中国・香港の事例を基に、取引に内在するリスクをどのように発見するか、またトラブル発生後は、様々な選択肢(オプション)が取り得る中で時間との勝負になること、日本国内取引では当たり前の債権回収手法が通用しない場合があること、そして商社としてはメーカーとの協力が重要であることを解説頂きました。
セミナーまとめ
今回のセミナーは、約30社の海外与信債権管理に関心の高い企業の海外営業部門、審査法務部門、管理部門の方にご参加いただきました。海外子会社における与信管理も含め、企業グループ全体でどのように与信管理を行っていくか、また国毎の債権回収の状況について関心が高い参加者が多かったようです。
当社では、今後も定期的に、日本企業の海外展開・事業拡大に資する情報提供のセミナーを開催してまいります。
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▽今後のセミナー開催予定
11月10日(金)16:00~18:00 @神谷町
東南アジアでの営業活動をドライブするために押さえておきたいマーケティング手法のイロハ
(ネクスウェイ・キヤノンマーケティング共催)
▼申込&詳細はコチラ
http://www.nexway.co.jp/seminar/20171110.html