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日本企業の直面するトラブル5:採用における情報の非対称性(公認会計士 野瀬大樹)

      2017/10/19

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弊社は今年に入ってから人員を増やすために、採用活動をしていました。従来は、人材紹介会社からピンポイントで紹介を受けた人を採用していたのですが、今年は試しに自分で転職サイトに会社情報を記載して、実際あった申し込みに対して面接を設定し、その結果採用するというスタイルをとってみました。

何人かに採用の通知を出したのですが、その結果トラブルも生じましたので、このあたり私の反省も踏まえてお話ししたいと思います。それは,CV(履歴書)に嘘が多いという点です。以下よくある嘘とその対応策について列挙します。

現在の給与の嘘

インド人は「現在月給〇〇ルピーもらっているので、あなたのところではその30%上乗せした金額がほしい」という交渉をしてくることが多いです。30%という上乗せ幅にびっくりすることが多いと思いますが、問題はそこではなく「現在月給〇〇ルピー」という点。実はここで嘘を言うケースがあるのです。

そのため、最終候補に残った人材からは必ず前職での給与明細を要求します。もちろんこの給与明細も偽造してくることがあるので、銀行の入金記録も同時に確認する必要があります。場合によっては確定申告書類を取り寄せてもよいでしょう。

資格・学歴の嘘

「給与の嘘」より可能性は低いですが、こちらもよく使われる嘘の典型例なので、各種証明書を確認しましょう。またインドは大学の通信教育も発達しているので、同じ大学卒と言えど、その内容はピンキリです。同時に10年生と12年生で受ける全国統一テストの点数も聞くと良いでしょう。外資系企業に勤めるのであれば最低75点はほしいところです。

前職の嘘

前職の会社名も嘘が入ることがあります。

例えば、子会社で働いていたのに親会社の名前を書いたりするのが典型的な例です。また、前職でスタッフだったのに「マネージャー」をしていましたと主張するのも典型的な嘘です。新しい職場でよりよいポストを得るための嘘です。さらにやってもいない職務の経験を主張することも多いです。

もちろん面接時の質問である程度の嘘はわかりますが、場合によっては本人の了承をとったうえで一度前職の会社に電話にて問い合わせを行い確認すると良いでしょう。インドではよくある確認作業です。

まとめ

 インドでは履歴書もいまいち信用できない。そのため、証明書や場合によっては電話などで確認する必要がある。また、雇用契約書に「履歴書での嘘が判明したら解雇できる」との文言を入れておくのも有効。

<プロフィール>

野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士

大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。

事務所HP:http://in.nacglobal.net/

 

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