今年の4月は日が良かったようで、インド人から結婚式に招かれることが多かったです。
良く知られるようにインドはいわゆる「派手婚」の国です。普通の人でも数百人、ちょっとしたお金持ちだと1,000人を超える人を呼ぶのがインド流。今日はそんなインドの結婚事情について少しお話ししたいと思います。
▼目次
まだまだ「お見合い」が一般的
保守的なインドではまだまだ「お見合い」での結婚が一般的です。ただ、私が住んでいるような都市部では徐々にその傾向も崩れつつあります。
先日参加した結婚式、新郎と新婦の出会いは「フェイスブック」とのこと。以前なら恋愛結婚ならそのことを隠して形だけ「お見合い」をして、「お見合い結婚」として式を挙げたものなのですが、最近の都市部の若い世代は恋愛結婚に抵抗がなくなりつつあるようです。
とにかく「派手婚」
先ほど述べたように、インドはとにかく「派手婚」です。
参加者が1000人を超えることも珍しくなく、皆の衣装もとにかく派手。さらには象やラクダが登場したり、新郎は白馬に乗っての登場です。セレモニーのあとはDJが現れてボリウッド映画さながらの歌って踊ってのドンチャン騒ぎになります。
当然その式にかかるコストもなかなかのもの。普段は「高いものは買ってくれない」と日本企業を嘆かせているインド人とは思えない大判振る舞いです。
また派手婚故にパーティや儀式も多いため、本人たちは2週間も休みをとるケースがあります。新婚旅行込で1週間程度の休みの日本と比べると長く感じますね。
新婦家族を悩ます「ドーリー(持参金)」の存在
これは有名な話なのですが、インドでは結婚する際、新婦側が新郎側家族に対して「ドーリー」という多額のお金を送る慣習があります。このため生まれた子どもが女の子なら翌月から積立預金を始めるケースが多いのです。お金だけではなく、新郎の親や兄弟から貴金属や車が要求されるケースもあり、その持参金やプレゼントが少ないと喧嘩になり結婚式当日に殺人になることもありました。
つまり男の子が生まれると一族のお金が増えて、女の子が生まれると一族のお金が減る…とも考えられるこの慣習、インドの農村部のいびつな男女比率と相まって社会問題と捉える人も少なくありません。
結婚後は「同居」が一般的
一部では崩れつつありますが、それでもインドではまだまだ親子二世帯の同居が一般的です。そのため、女性の場合、結婚後は舅姑のために食事の用意をしなければならないケースが多く、「結婚後も仕事を続けたい」と本人が希望しても不可能になるケースが多いです。ただこれは日本に過去に歩んできた道なので、女性の社会進出は徐々にではありますが進むと思います。
まとめ
インドの結婚式はとにかく派手婚。普段は財布の紐が固いインド人もここにはお金をドカンと使う傾向あり。
ドーリーや同居の多さなど女性社会的地位向上の余地はまだあるが、都市では徐々に解消されつつある。
プロフィール
野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士
大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。
事務所HP:http://in.nacglobal.net/