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【金利上昇局面で忘れてはいけないこと】価格に金利計算を入れてあるか

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海外マーケティング支援を行っているトロ代表の芳賀 淳です。

 

30年以上続いた日本の低金利状況が変わりつつあります。2026年9月18日には日銀の政策金利が年1.00%から年1.25%に引き上げられました。金利が上がるということは資金の調達コストが上がるということです。このことで海外ビジネスにどういう影響があるでしょうか?

 

 

画像出典:生成AIにて作成

 

1.見積価格に金利を計上しているか

政策金利が年1.25%ということは、市中の金融機関から資金を借りると年1.25%より高い利率が課される、ということです。

例えば年2.4%の金利の場合、1か月資金を手当てすると2.4%の12分の1、すなわち0.2%の金利を加算して借りた金を返さなければなりません。

月末締め翌月末決済の場合、最低でも30日の入金機会損失が発生します。入金までの間に資金が必要となったら金融機関から短期借り入れをしなければなりません。もし月初に売上計上する取引きがあれば60日の入金機会損失となります。先の年2.4%の金利で言えば60日分の金利は0.4%に相当します。過去30年間低金利だった日本では、この金利意識が欠けているケースが散見されます。

また、必要以上の商品在庫を抱えているとその資金負担を「資金コスト=金利」と考える管理手法もあります。

 

2.海外ビジネスで金利をどうとらえるか

海外ビジネスでは前入金、船積時入金(信用状など)、後入金、のいずれも選択可能です(相手との合意が必要です)。後入金の場合、船積時(船荷証券B/L日)や金融機関からの一覧日(sight日)を起点として何日後に支払うということになりますが、日本での取引以上に注意しなければならないのが金利です。海外ビジネスで利用される通貨は日本円に限らず、米ドル、ユーロなど、日本より高金利通貨のことがあります。もし高金利通貨による決済、かつ後入金(30日後や60日後)、という場合には取引価格に予め金利を計算しておく必要があります。米ドルの政策金利は2026年9月下旬現在で年3.75-4.00%(平均3.88%)なので市中金利は5-6%くらいでしょうか。仮に6%とすると30日の後入金でも0.5%相当の金利を計算しておく必要がある(6%の12分の1は0.5%)、ということです。ユーロでも同様に金利を計算し、予め見積価格に金利を含めておきます。

 

3.相手の支払い状態を信用調査で把握する

海外の取引相手が、前払いするのか、船積日前後で支払いするのか、あるいは後払いが常態なのか、は自社の資金面に大きな影響を与えます。

その不安を軽減するのが信用調査です。予め取引相手の信用調査レポートを入手し、現預金が潤沢かどうか、売掛金や買掛金の状況、支払金利と受取金利の状況、を把握することで、この取引相手の場合は60日分の金利を計算しておくのが良い等の判断をして取引します。後入金の場合は金利を計算することに加え、輸出取引信用保険や日本貿易保険をかけて不良債権化を防ぐ対策も忘れずに行います(前号でも触れました)。

その保険代も見積りに含めておきます。

 

 

まとめ

日本円はゼロ金利の時代を終えようとしています。海外ビジネスでは円以外の高金利通貨による取引もあるので、そういう通貨で後入金の場合は売上計上日から入金までの金利を計算し価格に含めることが重要です。取引相手が後払いの常習者なのかどうかを知るためにも事前の、かつ定期的な信用調査は欠かせません。

 

 

【プロフィール】

トロ 代表 芳賀 淳(はが あつし)

 

大手総合電機、精密機械メーカーにて欧米アジア太平洋地域での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった。豊富な海外販路開拓や海外業務・貿易実務経験を活かしたアドバイスや研修サービスを、民間企業およびジェトロや大阪商工会議所などの公的支援機関向けに提供している。これら機関向けセミナー実績も多数有する。日本政策金融公庫「輸出ノート」や「輸出コラム」の執筆を担当した。

メール:info@torobull.jp

URL:https://top.torobull.jp 

 

 

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