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【信用調査で交渉力を強化する】交渉ネタを信用調査で入手し、有利な条件を引き出す

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海外マーケティング支援を行っているトロ代表の芳賀 淳です。

 

信用調査で取引先の支払い力を確認する。とても重要なことです。信用調査の良い点は、情報を分析することで商談交渉でも有利なポジションに立てるところです。

信用調査のどのような情報を活用して交渉を有利に進めれば良いのでしょうか?

 

 

 

画像出典:筆者作成

 

 

1.売上に対して在庫が多いか、それほどでもないか

上のイラストに2つの業者の様子が見てとれます。左の業者は多くの在庫に頭を抱え、右の業者は在庫一掃して新たな発注をする状況です。もしあなたの取引(候補)相手が左の業者のような商売をしていたら、あなたの提供する商品がいかに競争力あるモノだとしても大きな注文は期待薄です。片や右の業者のように在庫が少ない商売をしていたら、頻繁かつ定期的に注文を期待することができます。

信用調査レポートでは、売上高と在庫の比率がどのような数値であるかに注目します。信用調査レポートの財務諸表の中に売上高在庫回転率(Inventory Turnover)という指標があります。これは売上高を期末在庫で割った数値で、値が小さいほど在庫が多く、値が大きいほど在庫が少ない、ことを表します。つまりこの数値が小さい業者は何とかして今の在庫を消化しようと懸命であり、新規に在庫を持つ、つまり新たな注文をする余裕がほとんど無い、ことがわかります。

 

2.交渉でどう活かすか

交渉前にこのような指標を入手することで、交渉ネタが増えます。

多大な在庫を数年に渡って持つ業者ならば、彼らの倉庫(在庫)を見せてもらったうえで取引を考え直すのも1つの考え方です。

適正在庫あるいは少な目の在庫を持つ業者ならば、頻繁かつ定期的に注文がくることが予想できます。しかしあまりに短納期では当方の出荷が対応できないことがあります。そういう相手とは、月ごとの出荷計画を作成して実出荷数カ月前には注文書を発行してもらう、短納期注文・出荷の場合は航空便対応の追加費用を予め提示して合意を得る(当方が輸送費を負担するインコタームズの場合)、相手の在庫状況から考えて当方への発注計画が少ないと判断する場合は発注が少ない背景を尋ねる、といった話し合いができます。もちろん信用調査を行った事実は相手には伏せておきます。

 

3.他に使える指標は?(掛金、営業利益)

信用調査で全ての財務情報を入手できるとは限りませんが、売掛金や買掛金情報を入手できるならば、相手からの支払いを予測することができます。買掛金が多いならば当方への支払いも滞る可能性が高くなるので、輸出取引信用保険や日本貿易保険をかけて不良債権化を防ぐ対策をします。その保険代も見積りに含めておきます。

粗利益(売上総利益)と営業利益情報を入手できるならば、現地での販売促進や広告活動にどれだけ資金を費やすことができるかを予想することができます。そこを踏まえたうえで当方商品のプロモーション計画について話し合いができます。

 

 

まとめ

信用調査は取引(候補)相手の支払い力を知るだけでなく、商談交渉を有利に進めるための貴重な情報を含んでいます。在庫、売掛金・買掛金、粗利益・営業利益、等の情報を予め入手し、交渉の場ではそれらに基づいた提案をしましょう。守りだけでなく攻めの場でも信用調は大変心強い味方です。

 

 

【プロフィール】

トロ 代表 芳賀 淳(はが あつし)

 

大手総合電機、精密機械メーカーにて欧米アジア太平洋地域での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった。豊富な海外販路開拓や海外業務・貿易実務経験を活かしたアドバイスや研修サービスを、民間企業およびジェトロや大阪商工会議所などの公的支援機関向けに提供している。これら機関向けセミナー実績も多数有する。日本政策金融公庫「輸出ノート」や「輸出コラム」の執筆を担当した。

メール:info@torobull.jp

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