グローバル化が進む現代においては、「国際的なビジネスをしたい」という希望を抱いている方も増加しています。中でも、実際に現地に飛び、外国企業の顧客と直接接することのできる海外営業職は、近年人気の高まっている職種です。
そこで今回は、海外営業職を志す方に向けて、海外営業職の具体的な仕事内容や求められるスキルについてご紹介します。
▼目次
海外営業、2つのタイプ
海外営業は、大きく分けて2種類のタイプに分かれます。一つは、日本国内をベースとして出張で各国を訪れ、現地企業に営業販売を行うケース、そしてもう一つは、海外法人や子会社に駐在し、現地に暮らしながら営業活動を行うケースです。
仕事内容は、国内の営業職と同様に、販路の開拓、顧客へのプレゼンテーション、価格の交渉、契約締結、さらにはその後のフォローアップとなります。
海外営業の仕事内容
【1】販路の開拓、受注獲得へ
日本の営業職と同じく、海外営業でも受注獲得に向けてまずは販路を開拓し、見込み客へのプレゼンテーションおよび条件交渉を行います。
見込み客は、海外の民間企業から政府機関まで多岐にわたり、販路開拓の方法もさまざまです。人が集まりやすい場所でプロモーション活動を実施したり、展示会を開催したりすることもあります。また、製品の知名度を高めるため、住宅街の路地にある小さな商店を回り、現地のユーザーに地道な売り込みを図る企業も存在するようです。
【2】契約締結〜納品
商習慣の異なる海外企業と取引を行う場合、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。特に契約書については、専門の部署に一任するばかりではいけません。現場に立ち会う営業職の方も、自身で細かな内容まで理解できるよう、可能な限り英文での契約法務の知識を身に付けておくべきであると言えます。
また、製品を届ける際の保険費用や輸送費、必要な法規制やルールなど、物流・貿易についても十分な把握が必要です。
【3】顧客との信頼関係を築く
顧客である海外取引先のスタッフとの確固たる信頼関係を築くことも、海外営業職の大切な仕事です。そのため、自分が仕事を行う国の人々や文化に対する謙虚な姿勢を忘れてはなりません。
ただし同時に、当然1人の営業マンとして、利益を損なうことなく契約を進めるための粘り強さも求められます。その意味で海外営業職には、どのような局面にも対応できるよう、柔軟さとタフネスを兼ね備えた総合的な適応力が必要であると言えます。
語学力はどのくらい必要?
近年では、多くの新興国・多民族国家で英語が公用語として用いられています。そのような国の企業を相手に現地で仕事を進める場合には、相応の英語力が必須となるでしょう。
ただし、もちろん英語以外の言語習得を求められるケースもあるため、TOEICなどの試験において高得点を獲得することのみが、海外営業職としての活躍に直結するわけではありません。また、海外進出している日系企業を仕入れ先とする場合など、さほど語学力は必要ないというパターンも少なからず存在します。
海外営業職にとっては、語学にまつわる端的な能力よりも、それぞれの国や地域に固有の情報を把握した上で、さまざまなスキル・習慣を短時間で身に付ける「吸収力」が大切です。
おわりに
海外営業職の仕事内容についてご紹介しました。
どのような営業職にも、あらゆるシーンに対応しながら一定の仕事をこなす安定感が求められます。パートナーと信頼関係を築き、相手の要求に応えつつも自分のフィールドを守るというビジネススタイルは、海外営業でも国内営業でも変わることはありません。
海外営業職を志す方にとっては、何よりもまず、基礎的な「営業力」の意識的な向上が必要不可欠となるでしょう。