中国は、改革開放や一人っ子政策など、社会背景の変化が大きく、世代間格差も大きい国です。1960年代生まれの60後(リウリンホウ)、70後(チーリンホウ)、80後(バーリンホウ)のジェネレーションギャップを中心に、明日の、または将来のビジネスパートナーについて理解を深めましょう。
▼目次
[60後・70後とは] リーダー世代の中国人
60後(リウリンホウ)〜70後(チーリンホウ)と呼ばれる1960年代〜1970年代生まれの特徴は、「声が大きい」、「宴会で浴びるように白酒を飲む」など、巷でよく聞く中国人のイメージそのままといってよいでしょう。組織のリーダー世代である彼らの接待を受ける場合は、どのように挑めばよいのでしょうか?
[60後・70後の接待] お酒編
白酒(度数の高い中国酒)が大好きな彼らの接待は、食事中に何度も「干杯」(ガンベイ)をします。文字通り、一気に飲み干すスタイルの乾杯です。円卓での接待の場合は、回転テーブルにグラスの底を軽く当て「干杯」します。これを最後まで繰り返すと、白酒を飲みなれない日本人は悪酔いしてしまいます。美味しくお酒が飲めている間に、接待主である中国人リーダーに自ら声をかけ、一対一でお礼の「干杯」をしましょう。後はグラスを空にせず、みんなに合わせて「干杯」のジェスチャーを。お酒を飲み干すと「お代わり」ととらえられます。
たくさん飲めない人でも、中国人リーダーと直接白酒を酌み交わす事で、印象が格段にアップするはずです。(もちろん、最後まで干杯に付き合う覚悟で接待に挑むのも効果的な戦略です)
[80後とは] 若いエリート中国人
80後(バーリンホウ)と呼ばれる、1980年以降に生まれた世代は、1979年に始まった一人っ子政策により、多くは甘やかされて育った一人っ子です。海外留学経験者で、母国に戻り活躍する若きエリートもいます。彼らとの付き合いは、日本のビジネスマナーを持ってすれば問題ないと言えるでしょう。
[80後の接待] お酒編
80後の中には、白酒を好まず、接待でワインやビールを出す人もいます。ぽっちゃり型やポッコリお腹の80後は、先述した60後のような接待スタイルを好む人もいます。痩せ形でヘルシー志向の80後の中には、都市部で人気の素食(野菜中心で肉を食べない)のお洒落な中華料理店などで、食事に合わせたお酒でスマートにもてなしてくれる人もいます。一般的に接待で出される白酒の銘柄や値段で歓迎度合いが分かると言いますが、彼らが白酒を出さなかったからといって決して歓迎されていない訳ではありません。
おわりに
紹介したような世代間格差は全ての人に当てはまるわけではありません。もちろん60後・70後の中にも白酒を好まない素食派の人はいると思います。中国人の嗜好が「多様化」していることを理解して、場面に応じたビジネスマナーで対応しましょう。