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中国市場への”集中”から、投資先の”分散”へ
日本企業の中国ビジネスの減少が続いています。ジェトロの調査レポートによると、2016年上半期の日中貿易は前年同期比3.9%減の約1,423 億ドルで、半期ベースで 4 期連続の減少でした。これまで世界経済をけん引してきた中国の景気減速を受け、日本企業の中国に対する慎重な見方が広まっていると言えます。
実際に、当社が昨年末に実施した「中国・海外との取引リスクに関する意識調査結果レポート」では、実に約9割の回答者が中国ビジネス(中国との貿易や中国拠点を通じた地場取引)にリスクを感じていると回答しています。
※2015年12月、三井物産クレジットコンサルティング株式会社調べ(調査結果ダイジェスト)
ネクストチャイナの有望市場とは?
中国の経済成長が踊り場を迎えた大きな要因の一つが、少子高齢化です。急激な人口増加に歯止めをかけるために政府が進めてきた「一人っ子政策」の副作用として、若者世代が減少してしまったのです。
このように人口動態という切り口からネクストチャイナを考えるためのキーワードが「機会の窓」です。機会の窓とは、「子ども(14歳以下)の割合が30%以下、高齢者(65歳以上)が15%以下の時に経済は飛躍的に成長する」という人口学の考え方です。
この機会の窓が、2025年に中国が終了するのに対し、まさに今この期間に差しかかろうとしているのが、最後の超大国と言われるインドです。
インド市場のメリットは、①圧倒的な人口(約13億人)、②良好な対日感情、③ネクストマーケット「アフリカ市場」への布石である一方で、①インフラの未整備、②外資規制や税制の問題、③支払遅延が多いなどのデメリットがあり、進出は容易ではありません。
インド市場進出の最大の課題は”債権管理”
インド市場に参入する手法は様々ですが、特に注意が必要なのが、日本から直接にインド企業と取引を行う場合です。インドで日系企業へコンサルティング業務を行っている公認会計士の野瀬大樹氏によると、「財務デューデリジェンスを行う上で、必ず直面するのが非常に多い“滞留債権”や“滞留在庫”の問題である」と指摘しておられました。インド企業と取引を行う上で、支払遅延は日常茶飯事ですが、「支払う意識が低いのか」、「本当にお金がなく支払ができないのか」はしっかりと見極める必要があり、取引先の状況をよく知ることが重要です。
日本からインド・デリーへは直行便でも10時間以上かかるため、頻繁に取引先を訪問することは困難です。そのため、比較的にローコストかつスピーディで取引先のことを把握する情報源として、信用調査レポートの活用が有効です。
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