海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。
初めての海外出張ですか? ならばこのブログは必読です。
海外出張の諸注意事項について、次の流れに沿った4回シリーズで説明します。国・地域によって注意の対象は若干変わりますが、どこへ出張するにせよ共通する事項です。
既に何度も海外出張されている方にも「ほー」という内容があると思いますので、是非次回の参考にしてください。
ご無事で帰国を!
1. 海外旅行保険を忘れずに
どんなに屈強な人でも、時差、気温、空調、食事、空気などの条件が日本と同じではないので体調を崩すことがあるかもしれません。そんな時に備えて海外旅行保険は忘れずに手配します。業務出張ゆえ会社が保険をかけているはずですが、もし本人手配の場合には出張前に保険の手続きをしておきましょう。
2. 機内持ち込みのカバン
キャリーバッグも含め、機内持ち込みのカバンには次のようなものを入れておきます。
1)1泊分以上の業務用着替えなど
預けたスーツケースがターンテーブルに出てこないことほど悲しい出張はありません(筆者は何度もスーツケース行方不明事件を経験しました)。通常は1日遅れで宿泊先まで届けてくれますが、そういう事態に備えて最低1泊分の業務用着替えなどを入れておきます。歯磨きセットも必須ですが、柿の種小分けパック、一口羊羹などがあるといざという時の非常食にもなります。機内でくつろぐ足元は、黒のスニーカーなどにしましょう。
2) そもそも小型のカバンのスペックは?
貴重品は絶対に預け入れのスーツケースには入れず、身につけるか、手元のカバンに入れます。カバンの開け閉めでは、剝き出しのファスナーはできれば避け、ふたやカバーがついているもの、施錠できるものが望ましいです(ファスナー式ウェストバッグなどは市街の雑踏でスリの餌食になりやすいのです)。
3) 薬など
常備薬を含め、風邪、消化器系(下痢止めを含む)、頭痛、絆創膏、軟膏などの薬はすぐに取り出せるカバンに入れておきます。筆者が常に持参する下痢止め薬は、幾人もの同行者の緊急事態を救いました(筆者は幸いにも下痢止め薬のお世話にはなっていません)。公共交通網が未発展の国や地域では終日車での長距離移動となります。移動途中で腹痛に襲われることもありますので、必須の薬と言えましょう。
4) 旅費精算セット
帰国後に絶対提出しなければならぬものが出張旅費精算書類と証票です。A4のクリアファイルを用意します。その中にA4の裏紙を十分入れておき、交通機関のレシート、飛行機の搭乗券半券オリジナルなど、用事が済んだ証票をA4裏紙に貼ってゆきます。糊やテープも必要ですね。証票を裏紙に貼ると同時に、別の紙に出張行程と費用を順番に記載します。
こうした作業は空港での搭乗待ちの暇な時間にやっておくことが重要です(あるいは機内で)。帰国してから全てやろうと思っても、どのレシートが何日目のタクシーレシートだったか分からなくなりますから。
3. 機内には水を持ち込む(500㏄)
国際線では飲用水の持ち込みができないので、搭乗ゲートそばの売店で水を購入します。航空会社によってはエコノミー席も含めてPETボトルの飲用水を出してくれるところもありますが、乾燥している機内で喉を守るためにも自身で水を持ち込みましょう。喉を守るという点ではのど飴も持参したいですね。
4. 座席ポケットのDisposable Bagは小銭入れになる
飛行機の座席ポケットに入っているDisposable Bag。使うことはほとんどありませんが、丈夫で防水加工のこのバッグは小銭入れに最適なのです。出張から戻ってきて余った現地通貨(小銭)はこの袋に入れて保管しておくと次回出張でもすぐ使えます(現地国の航空会社の袋ならばすぐに判別できますが、日系の航空会社の場合にはどこの通貨か明記する必要がありますね)。
まとめ
出発までに身の回りの必須アイテムをまとめ、機内持ち込みカバンに入れておきます。薬や1泊分の準備も忘れずに。搭乗前や機内での暇な時間で旅費精算書類を少しずつ記入しておきましょう。
次回は、出張先国到着後のあれやこれやについてお話します。
▼バックナンバー
第1回 【海外出張、ここに注意】出発から機内まで
第2回 【海外出張、ここに注意】現地到着、入国、やれやれ
【プロフィール】
合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし)
大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングサービスを、ジェトロや中小機構などの公的支援機関および民間企業向けに提供している。
URL: https://sub.toro-llc.co.jp/