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【海外展示会・見本市の活用】来場者への事後フォロー

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海外展示会イメージ

海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。

展示会が終わってから1週間が過ぎた。集めた名刺やバーコードリーダーの宛先に御礼メールを送らねば!
あれ?前回作業したランク付け情報の出番はないのですか?

交換した名刺、例えば1,000枚の名刺宛先に同じ内容のサンキューメールや自社製品のPRメールを送って、どれだけ反応があるでしょうか?
おそらくメールを1,000件送ってせいぜい2-3件くらい反応があれば上出来では?

そうした状況を打開すべく、ランク付け情報に基づいて事後フォローを行いましょう
(尚、テキストメール、HTMLメール、SMSといった通信手段の差についてはここでは述べません)

鉄は熱いうちに打て!

1.来場者のランクをよく見る

展示会期間中に出会った来場者の評価、ここで大活躍です。Aランク、Bランク、Cランク。
ランクの違う人たちに同じフォローをするのは無駄です。

上図:ランク別事後フォロー方法例

1)Aランク

特に脈ありの来場者をAランクとしましょう。この人たちをほったらかしにしていてはいけません。出会ったその日のうちにでもコンタクトする相手です。夕食に行く前に展示会ブースの代表者名で御礼メールを送る、質問のあった事項について第一弾の回答をする、展示会終了後の翌週に同社訪問の打診をする(相手先が展示会実施国に所在する場合)、など次のステップに向けた商談活動を行います。鉄は熱いうちに打て!を実践することが重要です。

2) Bランク

Aランクほどではないが、こちらのフォロー次第で成約しそうな相手です。しつこいと思われず、かつタイミングを逃さず、というフォローが求められます。展示会後3か月以内に再面談することを目標として、アポ申し入れや特別キャンペーン(サンプル提供、使用例説明会の実施、他)など相手が直接メリットを感じる販促策を駆使してのフォローが有効です。コンタクトの方法はメールなどのデジタルツールが主体、電話が従という感じです。
時間期限としては「3か月以内に何らかの次の活動を実施する」ということが目安です。初めて会ってから3か月で再面談できない、見積り提出する段階まで行かない、といった場合は、今後の成約可能性は厳しい状況になります。

3)Cランク

当面受注可能性がなさそうな相手には事業活動に役立ちそうな情報を定期的に送ることで、相手との関係を継続することができます。自社の日本国内取引先にCランクの相手と同じような業態の企業があるかもしれません。秘密保持に触れない範囲で日本国内や他の外国での事例をCランクの相手に提供しているうちに、「おっ!」ということになるかもしれません。

あきらめず、こまめに、こつこつとしたフォローを心掛けたいものです。もちろん長期戦を見越した見込み顧客フォローシートなどで当社の活動と相手の反応をきちんと記録してゆきましょう。

4)Dランク

Cランクより更に長期化しそうな相手です。おそらく展示会で出会う来場者のかなりの部分がCかDランクでしょう。
Cランクよりも汎用的な情報を提供し続けることで、当社にいずれ関心を持ってもらえるよう心掛けましょう。今のところ、定期的なメールニュースの配信などで関係を維持する相手です。関係を切るのは簡単ですが、それを判断するのは1-2年後でも遅くはありません。

アナログなフォローが意外に目立つ

2.時節の挨拶はアナログで

何でもデジタルの時代、アナログな方法が目立つかもしれませんね。

1)年末年始の挨拶

名刺から分かる会社名、部門、氏名、連絡先(住所、メール、電話)は基本的に大きな変化のない情報です。バーコードリーダーからは主にこれらの情報を入手できます。

2)相手国の時節の挨拶

例えば中国の影響を受けている地域や国では中秋節(月餅を日本の中元や歳暮のように贈答する)、春節(旧正月)といったメジャーな行事があります。中秋節はベトナムでは子供の日でもある、というように地域や国に特化した情報は貴重です。相手の国の商慣習、季節の出来事、宗教行事を調べ、それに応じた挨拶が相手の心を打つことがあります。外国の相手からお盆や節分への挨拶をもらったら、何か嬉しい気持ちになるのと同じです。

まとめ

展示会から戻ってのフォローで一斉メール送信はいただけません。来場者のABCDランク別に応じたフォローを行うことで効果的な商談成約に結び付きます。特に可能性が高い相手には「鉄は熱いうちに打て!」の行動をしましょう。他ランクの相手には、可能性に応じたフォローを行います。すぐに商談に結び付かないかもしれませんが、根気よく活動を続けましょう。

次シリーズは、海外出張についてお話します。

▼バックナンバー
第1回  【海外展示会・見本市の活用】メリットとデメリット
第2回  【海外展示会・見本市の活用】露出と知財保護
第3回  【海外展示会・見本市の活用】集客のヒント
第4回 【海外展示会・見本市の活用】ブースでの人の役割
第5回 【海外展示会・見本市の活用】来場者情報収集と分析

【プロフィール】
合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし)

大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングサービスを、ジェトロや中小機構などの公的支援機関および民間企業向けに提供している。
URL: https://sub.toro-llc.co.jp/

 

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