海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。
新型コロナ(世界ではcovid-19と言います)が世界中にまん延して以来、オンラインでの会議や商談が続いています。
- 外国まで出張しなくてもよい、
- 時差ボケにならず外国と打合せができる、
- 同時に複数場所からの参加が可能、
といったメリットを享受している人も多いことでしょう。
一方で、オンラインの商談って効果少ないし・・・という声も聞こえてきますね。確かにオンラインでは
- 相手が貧乏ゆすりをしているのか、指先で鉛筆回しをしているのかわからない、
- 多人数の打合せには向いていない(リアルの会議では同時発言もある)、
- 視覚と聴覚しか使えない、
といったデメリットが存在します。
好き嫌いに関わらず付き合わないといけないオンライン。まずは相手から見た感じを意識してみましょう。
相手からどう見えていますか?
見せたいように見せる
このイラストの人はどのように見えますか?頑張るぞーと言っていますが、どうでしょう?
オンライン商談で相手に伝わるのは次の3つの情報です。
- 画像(あなたの見かけ)
- スピーカー(あなたの声の感じ)
- 言語(あなたの話す中身)
素晴らしいものを、素晴らしそうな表情で、素晴らしそうな弾んだ声で伝える。よい商談になることでしょう。一方で、素晴らしいものなのに、下を向いたまま(原稿を読む?)、ぼそぼそした声で伝える。それで素晴らしさが伝わるでしょうか?
相反する(矛盾する)情報が与えられた時、人がどのように判断するかはメラビアンの法則として知られています。見た目55%、音声の感じ(大きな声、張りのある声など)38%、文字情報7%、で人は判断します。カメラを見て、にこやかに、声ははっきりと、語りましょう。
ポイントは次のようなことです。
- 目も口元もスマイル、特に眉を額の方に上げる
- 語り口は大きな声でゆっくりめ
- 英語ならば、やり過ぎと思えるくらい抑揚をはっきり
- 手や腕の動きも加わると尚良い(親指を立てて「いいね!」を表現するなど、SNSで使われている記号の動きも有効です)
資料は、パッと見てわかりますか?
「アイデアのちから」という書籍の内容ですが、次のスライドにはほぼ同じ情報が3つ載っています。
- 文章で、飽和脂肪酸を摂取し過ぎているという内容
- グラフで、一日の推奨摂取量20gに対して実際は37g摂取という内容
- 絵図で、朝のベーコンエッグ、昼のハンバーガーセット、夜のステーキを合計したよりも多くの量を1回のスナックで摂取しているという内容
文章でもグラフでも動かなかった人たちが、絵図で示された途端に生活習慣とかを改め、メーカーもスナックの中身を変更したそうです。
同じ内容を伝えていますが、どのように伝えるかが重要です。人の脳は意外にさぼりたがり屋で、読んで理解してもらおうというこちらの試みはあえなく頓挫します。一瞬、長くて2秒以内に人が理解できる絵図で、伝える工夫をしましょう。
ポイントを3つ以内に絞り込む
自分の電話番号をすらすらと人に伝えられる人は滅多にいません。大抵は一度自分の頭の中に3桁+4桁+4桁の数字を思い浮かべ、それを相手に伝えます。人は7つ以上のことを覚えるのは苦手です。
オンライン商談で伝えたいことは山ほどあります。しかし打合せや商談時間は限られています。人が一度に覚えられる量も限られています。松竹梅ではありませんが、3つならば人は無理なく覚えることができます。伝えたいことを3つまでそぎ落としましょう。
次回は、オンライン商談内容の構成や進め方について説明します。
まとめ
オンライン商談相手に、いい感じで見られていますか? にこやかに、眉を上げ、声ははっきり、ゆっくりと語ります。資料は絵図を活用しましょう。伝えたいポイントは3つに絞ります。
【プロフィール】
合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし)
大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングサービスを、ジェトロや中小機構などの公的支援機関および民間企業向けに提供している。
URL: https://sub.toro-llc.co.jp/