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【日本の商慣習との違い2 決済方法】手形、振込、小切手、どれがいい?

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海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。

前回は、外国の取引では請求や決済の時期が日本と違うことがある、という話をしました。今回は決済の方法について説明します。日本で当たり前と思っていた決済方法があちらではほとんど普及していない、逆に日本で全く触れたこともないような決済方法をあちらで頻繁に聞く、ということがあるはずです。この場で基本的なところを押さえるようにしましょう。

 約束手形がない? 小切手がある?

決済方法における日本と外国の違い

日本 外国
現金 現金/Cash
約束手形
小切手
銀行振込 銀行振込
各種電子決済 各種電子決済

 現金

現金は日本でも外国でも商売の基本です。ただし、盗難や紛失のリスク、現金残高と帳簿が一致しているかの確認作業が日々発生する手間、を考えると現金以外の決済方法が今後伸びるだろうという認識は共通事項です。

 約束手形

日本では発注者(たいがい大手)から協力会社(下請け的存在)への支払いでよく見られる決済方法です。支払期日まで猶予できることが特徴ですが、外国の商取引で約束手形を見ることはほとんどありません。支払期日に猶予期間を設定する場合は、NET30(請求書日付から30日以内の決済)とかNET45(同様、45日以内)と記載した請求書を発注者に送ります。こうした支払期日指定の決済はOpen Accountと呼ばれ、支払い方法は次項で述べる小切手(Check)、銀行振り込み(電信送金、Wire Transfer)で行います。Open Accountは支払い遅延へのペナルティがないので、期日直前に支払元へ支払い確認(フォロー)を行うことも場合によっては必要です。普段から取引先の商売が好調かどうか、担当者の言動に不安要素はないか、という無言のメッセージを読み取ることも仕事の一つと言えましょう。

 小切手

日本ではほとんど普及していない決済方法ですが米国などではよく利用されています。日本の当座預金口座に相当するChecking Accountという小切手振り出し用の口座を支払人が開設していないと小切手利用ができません。

支払人の銀行情報が記載されている紙に、支払先・金額を記入し、署名をして受取人に送ります。受取人はその小切手を銀行に持ち込み換金します。

注意すべきこととして、小切手を振り出した側の銀行口座残高が不足している場合は不渡りとなって入金ができません。日本と違って不渡りイコール銀行取引停止というわけではありませんが、小切手取扱いに伴う手数料を受取人も銀行から請求されることがあります。

銀行振込(Wire Transfer)

日本と同様、銀行振込制度は発達しています。小切手用のChecking Accountと異なり、Saving Accountという普通預金口座を開設し、双方のSaving Account間で送金します。

米国の送金方法でよく使われるのは、Wire Transferという日本の「送金」に相当する方法と、ACH(Automated Clearing House)と呼ばれる特定の送金ネットワークを利用する方法です。ACHは電子小切手決済とも言われ、小切手に代わる決済方法と見なされています。ACHはWire Transferに比べ利用料金が安いというメリットがありますが、送金に数日かかることもあるので、用途に応じて使いこなす必要があります。

ACHの詳しい利用方法については次のサイトをご参照下さい。

欧米の小口決済システム(ACH)に関する調査報告書(金融庁)
https://www.fsa.go.jp/common/about/research/20150706-1/01.pdf

約束手形が外国ではほとんどない、一方で日本ではお目にかかることのない小切手という決済方法があるのが外国業者との取引です。驚かされる出来事にしばしば出会いますが、いずれの決済方法でもリスクを最小限に抑える配慮を忘れずに行いましょう。

次回は流通について説明します。

まとめ

決済方法においても日本と外国では違いが見られます。期日指定の決済を行う場合は、回収リスクをできるだけ低く抑えるよう支払元をフォローすることが大切です。銀行振込でも手数料に差がありますのでよく研究して利用することが大切です。

▼シリーズバックナンバー

第1回 【日本の商慣習との違い1 決済時期】請求や決済時期が違う

 【プロフィール】
合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし) 

 大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングサービスを、ジェトロや中小機構などの公的支援機関および民間企業向けに提供している。 

URL: https://sub.toro-llc.co.jp/ 

 

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