海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。
毎週の定例ミーティングで伝えたことが実は伝わっていなかった。マネージャーから各メンバーへの一方通行だった。業務指示も含め、そのようなことをしていませんか?
国や地域によっても大きく異なるのがコミュニケーションの方法です。部下を褒めるには、あるいは叱るには、適切なコミュニケーションを取らないと効果があがらぬどころか逆効果になる可能性もあります。
チーム内ミーティングでのコミュニケーションの原則とは?
チーム内の意思疎通のためにリーダーとして何をすべきでしょうか?
ミーティングの目的は、今後の方向性や目標を示して、チームがそこに向かって行動すること、にあります。そうすることで結果(成果)を出すことにつながります。
ミーティングで重要なことは、
1)事柄の目的を伝える
2)その為の、チーム各メンバーの役割と時間軸を伝える、あるいは話し合う
3)各メンバーが口頭で、今後のやることをまとめる(発言する)
4)メンバーの1人が口頭でポイントをまとめる。この役割は交替制で行う
5)メンバーの1人(別の人)が、文書にしたまとめを作り、チームの皆に送る。この役割も交替制で行う。
こうしたやり方は英米豪加などのアングロサクソンや北欧・ゲルマン系、およびその影響を強く受けた国や地域では受け入れられやすいものと言えます。
一方、アジアでは
- それとなくほのめかす
- それがどのように語られたか
- 何が語られなかったか
が重要視される国や地域が多いと言えます。はっきりと言葉で伝えるアングロサクソンや北欧・ゲルマン系に対し、察しあい・暗黙の了解・行間を読む言外コミュニケーションの文化と言えます。
従い、自身が仕事をする国や地域がどのようなコミュニケーション文化なのかを知っておくことが非常に重要です。大雑把ですが多民族国家・地域ほどはっきりと言葉にしてコミュニケーションをとり、日本のように単一民族に近いところや画一的文化のところほど「察してほしい」コミュニケーションを取る、と言えます。
ただし、新型コロナウィルス(外国ではCovid19と言います)の影響でオンラインによるコミュニケーション機会が急増している状況では、空気を読む「察し合う」コミュニケーションは極めて難しくなります。モニター画面の表情では威圧感は伝わってこず、発言しない人の考えは察しようがありませんね。
Covid19をきっかけにコミュニケーションの取り方もアングロサクソンや北欧・ゲルマン系方式が世界標準となって行きそうです。
次回は、コミュニケーション2についてお話します。部下に言いにくいことをどのように伝えるか、直球勝負か、それとも婉曲に伝えるのが良いのか?悩むところですね。
まとめ
チームのミーティングでは、各メンバーにきちんと自身の役割を発言させることで、指示や内容を理解しているかどうかの確認をします。日本のような「察する」コミュニケーションの国や地域もアジアでは見られますが、今後はきちんと発言するコミュニケーションが主流になってゆくでしょう。
【プロフィール】
合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし)
大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングサービスを、ジェトロや中小機構などの公的支援機関および民間企業向けに提供している。
URL: https://sub.toro-llc.co.jp/