
海外マーケティング支援を行っているトロ代表の芳賀 淳です。
海外にモノを売る。ビジネスとして海外展開する場合は、ある程度の規模(金額)を継続的に販売する仕組みを作る必要があります。良い仕組みを作れば右肩上がりの販売が見込めます。そのためには実績をあげられる海外販売代理店(Distributor ディストリビューター)と取引することが重要です。では、どのようなディストリビューターと組めばよいでしょうか?

画像出典:筆者作成
1.ディストリビューターの役目、機能
Distributeを辞書でひくと「分配する、配給する」とあります。海外のA国で当社製商品を「分配する」役目を負うことが求められます。「分配する」ためには、1)在庫を持つ、2)知らしめる(広告宣伝をする)、機能を持っていないといけません。小規模事業者では、在庫を持ち、かつ、広告宣伝を行うことは人的にも資金的にも難しいことでしょう。
2.こんなディストリビューターと取引したい
「在庫を持ち、インターネットを含む広告宣伝ができるディストリビューターを探したい」。期待できるディストリビューターは、資金を持ち、販路が強力で、営業をはじめとする人的スタッフが豊富、な事業者です。しかし数回の直接訪問や面談でそのような姿が見えてくるとは限りません。重要な情報を面談の場だけで入手するには時間と労力が足らないのではないでしょうか。
3.ディストリビューターの実力を読むには
直接面談では、経営者(社長、役員)の人柄やビジネスに対する考え方、当該事業歴、担当者(となるであろうスタッフ)の取り扱い製商品や活動姿勢、事務所や工場など施設の様子(従業員の働き方、整理整頓など)、に触れることができます。これらは我々自身が見聞きし感じることができる定性的な情報です。
一方で、財務情報、年間売上額、売掛金と買掛金、借入金(借金)、在庫保有額、といった定量的な情報は相手の口から得にくいものです。筆者自身も、自社の財務情報を交渉中の相手に開示する社長には会ったことがありません。
これら定量的情報を得る方法に信用調査があります。世界中の事業者の定量的情報を何でも入手できるわけではありませんが、上記情報に加え、株主構成と比率、過去3年間の財務諸表、法的係争の有無、取引するとしたら与信枠金額をどのくらいに設定したら良いか、というような情報を得ることができます(入手できない国、地域もある)。
初めての国では商習慣も含めて土地勘がききません。そのような時には自社で収集できる情報だけでなく、信頼できる外部情報を活用するとよいでしょう。
その上で面談では相手の情熱や姿勢などの可能性を感じましょう。その可能性の裏付けとなる財務力など数値情報を信用調査で前広に入手し、定性的と定量的な情報を総合的に判断して自社に合ったディストリビューターを選ぶことです。
まとめ
初めての国での海外展開(販売)はディストリビューター選びが成否のカギです。在庫を持ち、広告宣伝を行い、スタッフも豊富な相手を選びたいものです。面談で入手できる定性的情報だけでなく、財務数値など定量的情報を信用調査で手に入れ総合的に判断しましょう。
【プロフィール】
トロ 代表 芳賀 淳(はが あつし)
大手総合電機、精密機械メーカーにて欧米アジア太平洋地域での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった。豊富な海外販路開拓や海外業務・貿易実務経験を活かしたアドバイスや研修サービスを、民間企業およびジェトロや大阪商工会議所などの公的支援機関向けに提供している。これら機関向けセミナー実績も多数有する。日本政策金融公庫「輸出ノート」や「輸出コラム」の執筆を担当した。
メール:info@torobull.jp