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海外企業の信用調査は必要?海外取引における信用調査の方法とは

      2017/07/25

信用調査記事①
日本国内における商取引のほとんどは、信用取引の形態で行われています。そのため取引の際は、相手先の財務状況を見極めるべく、事前の信用調査の実施が不可欠です。
グローバル化が進み、外国の取引先と接する機会の増えた昨今では、海外企業を対象とした信用調査の実施率も高まっています。そこで今回は、海外企業に対する信用調査の重要性についてご紹介します。

なぜ海外企業の信用調査が必要なのか

海外企業との取引において、「与信」が必要なケースが増えています。「与信」とは文字通り、相手企業に「信用を供与」することであり、例えば先に製品を納入し、後日代金を回収する「掛売り」を認めるケースなどを指します。このような海外取引が増加している背景は2点あると考えられます。

①「信用状(L/C、Letter of Credit)」や「前金」といった比較的安全性の高い決済条件の利用が困難に

中国や韓国といった技術力、価格競争力のある企業との競争激化により、銀行の支払保証のあるLC決済や前金など、日本企業にとって有利な決済条件が利用できないケースが増加しています。これは製品での差別化が困難になり、価格はもちろん、取引相手にとって魅力的な決済条件を提案できるかが、契約獲得における重要なポイントになっていることを示唆しています。

②日系企業中心から海外現地企業とのビジネスが拡大

これまで、特に部品や素材などを納入する中小企業は、先んじて海外に進出している大企業の現地法人(日系現地法人)との取引を中心にビジネスを展開していました。しかし、競争激化により日系現地法人の市場シェアは低下し、ビジネスの維持・拡大を図り、生き残りを模索するため、海外地場企業との取引を模索するケースが散見されます。
いずれにせよ、取引先に「信用を供与」するには、相手先のことを今まで以上によく知ることが基本であり、そのためのツールの一つとして海外企業の信用調査が必要なのです。

海外信用調査の重要性

海外企業の信用調査を行う方法とは

信用調査記事②海外企業の信用調査を行うための「肝」は情報収集であり、必要十分な情報をいかに効率的に収集するかは日本企業の課題と言えます。取引先の情報を収集する方法には様々ありますが、代表的な方法は、①会社ホームページ等の公開情報、②ヒアリング等による直接情報、③登記などの公的な登録情報、④(上場企業であれば)株式市場の情報や開示情報、格付機関(Moody’s・S&Pなど)の情報、⑤海外信用調査機関の情報(間接情報)、などです。

一番ローコストで簡単に実施できるのは、①ホームページ等の公開情報の収集ですが、情報の正確性・客観性が担保されているのかは会社の外からは何とも言えません。また、そもそも情報が古く更新がされていなかったり、財務情報(売上や利益など)が把握できなかったり、簡便ゆえに情報としては不十分なケースが多いようです。②~④の手法は、実施が困難であったり、非上場企業は情報が取得できなかったりと課題が残ります。特に、世の中の企業群のほとんどを占める中小企業、それも言葉や距離の壁がある海外企業について、有象無象の中から価値のある情報を探し出すことは非常に大変な作業となるでしょう。そこで、少々コストはかかりますが、⑤海外信用調査会社の情報が一般的に広く活用されています

開示されていない情報が得られる

信用調査記事③海外信用調査の報告書の主な項目には、上場区分や資本金、事業内容、取引銀行、従業員数、そして売上高などがあります。また、商業・不動産登記簿などの公的な情報についての確認に加え、対象企業に対するヒアリングや、取引先への側面調査まで行った上で作成されることもあります。そのため、ホームページなど一般に公開されている情報源よりも「濃い」情報が得られることが利点です。

ただし、個々の企業や国の事情によって情報開示の範囲に差があるため、必ずしもすべての項目が調査報告書に記載されるとは限りません。たとえば、決算書だけをとってみても、同じ東南アジアの国でも、ベトナムやタイにおいては比較的入手が容易である一方、インドネシアなどでは入手が難しいと言われています。

支払いの状況をチェックできる

信用調査記事④取引を行う際にもっとも気を配るべきポイントは、代金の回収です。
特に後払いの輸出取引に関しては、商品を納入する企業にとって無担保の融資と変わらず、常に支払いが途絶えるリスクと隣り合わせにあると言っても過言ではありません。また、逆に輸入を受ける立場にある場合でも、海外の取引先が突然倒産し、安定供給が絶たれた際には大きな問題が生じてしまいます。海外企業に対するこのような取引上のリスクに備えるためにも、信用調査の実施は不可欠です。
さらに、各海外企業のリスクレベルについて、国内企業と同じ視点から考えることが難しいと懸念される企業も多いことでしょう。特に、海外事業を新規開拓したばかりの経営者の方は、頭を抱えていることと思われます。

おわりに

海外企業に対する信用調査の重要性についてご紹介しました。
「海外企業とのビジネスはスピードが命」「そのような情報にコストをかける必要があるのか」と考える方もいらっしゃいます。しかし、取引後に発生するトラブルのリスクや損害の大きさを考慮すれば、やはり予防策として信用調査の実施は欠かせません。
ビジネスを行う上では、企業間における信頼関係の構築が最重要のプロセスとなります。取引先と円滑なコミュニケーションを図るためのツールの一つとして、信用調査を活用してみてはいかがでしょうか。

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