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インドの距離がより近く「再編される日印フライト事情」

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ペンターKさんによる写真ACからの写真

インドで日本企業の進出支援を行っている公認会計士の野瀬大樹です。

今年は日本とインドを結ぶフライトに大きな変化があった年でした。

従来、東京からは成田⇔デリー及びムンバイしかなかった直行便が、ANAは製造業で有名な南インドの主要都市チェンナイへ、JALはIT企業で有名なこれまた南インドの主要都市バンガロールへ定期便が飛ぶことになったのです。

また11月末にはさらに再編が発表され、従来成田発だったデリー便がANA、JALともに羽田便になることが発表されました。これは新幹線や他の国内線とのアクセスを考えると非常に大きな動きです。
従来より「近距離の国際線は羽田、遠距離の国際線は成田」という棲み分けがありましたから、物理的にはもちろん、心理的にも日本にとってインドが近い都市になったと考えられます。

フライトは現地で暮らす日本人にとっても生活や仕事に大きな影響を及ぼす要素です。この航空業界のフライトスケジュールの大幅な動きから日印関係にはどんな背景があったのでしょうか。少し考察してみます。

往来者数増加の原因

フライトが増加・多様化している理由はもちろん往来者の増加なのだが、その原因は一体何なのだろうか。様々な要因が考えられるので列挙してみます。

① インバウンドの増加

最近は日本でも東アジア人、欧米人以外にインド人観光客もよく見るようになってきました。これは豊かになったインド人は従来一般的だった海外旅行先である欧州やタイではなく、日本へも足を伸ばすようになってきたことが原因です。インドも他の国と同様日本への観光客が増えているようです。

② 南インドの重要性の高まり

従来は、日本からインド南部の都市バンガロールやチェンナイに行こうと思うと、一旦デリーに出てからのインド国内乗り換えか、タイやシンガポール経由が一般的でしたが、ITや研究開発活動の集積地としてのバンガロール良好な港を持つ製造拠点としてのチェンナイの重要性の高まりにより、今回の新航路就航になりました。

従来インド進出と言えば、デリーばかりだったのですが、これらの2都市に加え、薬品産業で有名なハイデラバードなどの重要性が高まりつつあると考えられます。

③ 国全体としてビジネス関係の強化

安倍政権のインド重視政策、モディ政権の「make in India」政策により、ゆっくりではありますが日本企業のインド進出が進みました。5年ほど前ですとデリー⇔東京便は空席が目立ち、3人席に寝て過ごしたりもしていましたが、ここ最近の同便は常に満員です。

加えて最近は逆にインドのエンジニア人材にエンジニア不足の日本で働いてもらおうという動きが日印双方で活発化しています。言語の壁も確かにありますが、他の業種に比べるとまだ言語が障壁になりにくい業界ではありますので、この流れはどんどん拡大すると思います。

まとめ

・2019年と2020年で日印間のフライトは非常便利になる。
・ただしそれは東京近郊に限っての話で、関西とインドの結びつきは逆に薄れている。

【プロフィール】
野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士

大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。

事務所HP:http://in.nacglobal.net/

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