日本では先月、パラリンピックが盛り上がっていましたが、先々月8月はオリンピックが盛り上がっていたようですね。
ここで「ようです」という言い方をしたのには理由がありまして、私は8月の間ずっとインドにおりましたので、オリンピックを日本でテレビを通して観戦していなかったのです。もちろんインドでも放送がないわけではないのですが、なにぶんメダルを取れそうな種目がほとんどありませんので皆興味がないわけです。
しかし今回のリオでは、インドのバドミントン選手シンドゥ・プサルラ(日本の奥原希望選手と準決勝で対戦)が予想を覆す快進撃を見せて、なんと銀メダルを獲得!ちょうど決勝戦の日に友人とグルガオンの飲み屋街で飲んでいたのですが、どのお店もその決勝戦を放送して、ひとつひとつのプレイが大盛り上がりでした。
ではインドでは一体どんなスポーツが人気なのか?ということも気になりますので、以下にまとめてみました。
▼目次
クリケット
旧英国領の例に漏れず、インドでもクリケットは大人気です。「一番人気のスポーツ」という表現をしても異論がある人はいないと思います。町の公園でも小さな子供から大人までがプレイに興じていますし、なかにはクリケット版のバッティングセンターのような設備も存在します。
プロリーグも存在し、その応援も熱狂的。引退した有名選手の中には政治家に転身する人もいますので、日本のプロ野球のようなイメージですね。また国同士の関係も相まって、クリケットインド代表VSパキスタン代表戦は本当に盛り上がり、試合がある日には町のレストランで「今日は印パ戦放送します!」という貼り紙をよく見ます。
フィールドホッケー
これも旧英国領の特徴ですが、ホッケーは人気があります。有名俳優主演のホッケー映画なども数年前にヒットしており、人気を裏付けていると言えます。
バドミントン
これは前回のロンドンオリンピックで、サイナ・ネワール選手が銅メダルを獲得したことも契機となって人気が高いです。町の公園で子どもたちがプレイする姿もよく見ます。
カバディ
日本では「鬼ごっこ」と同じ括りでみられるこのカバディも、インドでは人気です。最初聞いた時は本当に人気なのか半信半疑だったのですが、自宅の前の公園からたまに「カバディ!カバディ!カバディ!カ…」と大声が聞こえることがありますので、実際に人気はあるようですし、テレビ放送もあります。
以上、インドで人気のあるスポーツを4つ挙げましたが、やはりクリケットの人気が突出している印象があります。
また20歳以下の若い世代に話を聞けば、サッカー、バスケも高い人気を誇ります。このあたりはテレビやネットの影響で、徐々に英国領以外の影響も受けるようになっているのでしょう。今はクリケット一極集中状態ですが、今後は多様化が進むように見受けられます。
多様化が進みオリンピック種目でも人気が出た場合、人口の多さに比例してインドがメダル大国になる日も遠い将来はあるのかもしれませんね。
まとめ
インドではとにかくクリケットが人気で、国民的スポーツと言える。
ただテレビ等の影響で多様化の傾向が見える。
プロフィール
野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士
大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。
事務所HP:http://in.nacglobal.net/