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【新型コロナ影響】インドの都市封鎖の状況

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十野七さんによるイラストACからのイラスト

ついに始まったインドの都市封鎖

インドで日本企業の進出支援を行っている公認会計士の野瀬大樹です。

3月3日、インド政府は新型コロナウィルス対策として、突如日本人に発行したビザを無効にすると発表。現地日本人社会では衝撃が走りました。

インド政府の発表はこれにとどまらず、3月12日にはすべての国の観光ビザや出張ビザを停止。3月18日は主要自治体でのテレワークの推奨、3月22日はインド全土で日中の外出禁止措置。そしてその日、突然3月31日までの各自治体の封鎖、そして食品や医薬品を除くすべてのショップとオフィスの閉鎖命令、さらに24日にはその期限を4月14日まで延長することが発表されました。
この背景には2月の時点で5名程度だった患者数が日を追うごとに増えてゆき、3月20日時点で500名を超えたことがあります。

あまりに突然の流れで、私もパソコン以外の仕事道具をオフィスに置いたままでした。仕事道具を取りに行こうにも外は警察が循環しており、食品や医薬品の購入以外の外出の場合は、最悪収監までされるとこのとですので、文字通り自宅に軟禁状態が3週間ほど続くことになります。

JALなどはすでにインドへの着陸が禁止されているため、インドから空いている飛行機をかき集め日本への臨時便を飛ばしてくれています。特に家族帯同の駐在員の方々から次々と一時避難のような形で日本へ帰国しており、さながら戦争が始まるような状況になっています。

これは、日本人が皆インドの医療体制や隔離施設に信頼を置いていないことが原因で「どのみち感染リスクがあるのであれば、安心できる医療体制がある日本で」という考えがあるからです。

封鎖2日目の今日3月25日はもう町はゴーストタウン。
いつもはデリー名物ともいえる大渋滞も全くなく、鳥のさえずりだけが聞こえる気味が悪い状況です。

批判を承知で都市封鎖を決断したモディ政権

このような「都市封鎖」「外出禁止」がインド全土で行われているのですが、その決断には「断固としてインドをヨーロッパにようにしない」という政権の強い意志を感じます。

実際インドの衛生環境、医療環境は充実しているとは言い難く、もしもヨーロッパのような感染拡大が生じた場合、医療崩壊はもちろんパニックや暴動にまで発展することが目に見えています。

そのため「背に腹は代えられぬ」と経済を多少犠牲にしても長期間にわたる都市封鎖を決行したのだと考えられています。

もともと去年より調子のよくなかったインド経済はこの措置でさらに大きく後退するでしょう。しかし、このモディ政権の一世一代の大博打が吉と出て、13億の人口を持ちながら主要国の中で唯一感染の封鎖に成功したとなれば、モディ政権は経済の失速で失いつつあった支持率を一気に取り戻すとも予想されています。

封鎖期間はあと21日。在印日本人は「食料は持つのか」「病気に罹患しないのか」「東アジア人に対する暴動が起きないか」などの不安を抱えつつ毎日を過ごしていますが、私個人的には、政権のこの決断はインドという国の特質、巨大な人口、高い人口密度、近い人との距離、パーティ好きの国民性…などを考えると英断になると考えています。

まとめ

・インドでは患者が500人を超え、インド全土での「都市封鎖」「外出禁止」を敢行
・警察も巡回し町は無人の状態
・経済への影響も大きく、日本人は帰国する人が増えている。

【プロフィール】
野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士

大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。

事務所HP:http://in.nacglobal.net/

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