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砂嵐よりも汚い?今年も酷いインド・デリーの大気汚染事情

   

インドで日本企業の進出支援を行っている公認会計士の野瀬大樹です。

寒さも増してきた12月後半、冬恒例のデリーの大気汚染は今年のピークを迎えました
当初は例年より比較的マシだと言われていた大気汚染の日酷さですがクリスマスの週に一気に今年最悪の数値を更新しました。

ちなみに今年最悪を記録したのは、冬ではなく実は6月15日。これはデリーを砂嵐が襲った日です。この時の大気汚染を示す数値は447だったのですが、とうとうそれを大きく上回る654という数値をたたき出しました。100を超えれば健康に害があるとされるこの数値の軽く6倍を超えるこの状態には一刻も早い政府の対策が待たれます

この酷い大気汚染の主な原因は、従来通り

①自動車の排気ガス
②火力発電所や工場での石炭の使用
③貧困層の人達が暖をとる焚火

になります。

①に関しては毎年政府もプレートナンバーの偶数奇数での規制などにより何とか軽減を図っているのですが、慢性的な電力不足に悩むインドにおいて②を規制するのは難しいですし、今年選挙を控えている以上③を批判することも難しく、打てる手が限られているのが実情です。

インドではこの大気汚染が原因で2017年には124万人が亡くなっていると言われ、それはインドにおける全死因の12.5%に上ります。

2018年の世界保健機構(WHO)のレポートでもインドには世界の中でも大気汚染が酷い14の都市を抱えていると指摘されており、デリーは世界6位の大気汚染の酷さというありがたくない称号を得ています。

インドではまだ有権者の目は、目の前の生活や所得、就業に向いているので、選挙でこの問題が争点になることは少ないですし、政府としても票につながりにくいためあまり動きたくないという思惑もあります。

但し、これはもう10年以上前から有識者からは指摘され続けている問題ですし、インドで先進国を目指すのであれば避けては通れない問題だとも言えるので、政府による有効な解決策が待たれます。

まとめ

インドの大気汚染は12月後半でピークを迎えた。
特にデリーの汚染具合は世界6位という酷さ。
ただ、票にはつながらないため政府としても対策はいつも後手後手になる。

【プロフィール】
野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士

大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。

事務所HP:http://in.nacglobal.net/

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