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第3章⑦ 米国・連邦破産法(Chapter7、Chapter11)の特徴と留意点

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fujiwaraさんによる写真ACからの写真

COVID-19(新型コロナウイルス)の影響により、企業倒産が世界的に増加しています。
東京商工リサーチの調べによると、国内の新型コロナウイルスによる経営破綻が4月28日に100件を超えたとの発表が出ています。

米国でも、フィットネスジム「ゴールドジム」を運営するGGIホールディングス、衣料品大手小売Jクルー・グループや高級食料品チェーンのディーン・アンド・デルーカなど、日本でも知名度の高い大企業の倒産に関するニュースが目立ってきました。

このようなニュースの中で、「連邦破産法」や「Chapter11(チャプターイレブン)」といった言葉を目にした方が多いのではないでしょうか。
そこで今回はこれらについて簡単に解説をしてみたいと思います。

米連邦破産法の特徴

米連邦破産法(Bankruptcy Code) とは、アメリカ合衆国の連邦法で、個人や法人の破産・倒産処理手続を定めた法律のことです。全部で9章から構成されており、不思議なことに、第12章を除き第1章、第3章…、第15章と奇数の章立てとなっているのが特徴です。
米国の倒産制度には、日本と同様に「私的整理」と「法的整理」があります。法的整理の根幹をなすのが、この連邦破産法なのです。

この中で我々がよく目にし、実務上重要なのが第7章「Chapter7」と第11章「Chapter11」です。

Chapter7は「清算(Liquidation)」を前提とした手続きであり一方、Chapter11は「再生(Reorganization)」を前提としている点に大きな違いがあります。つまり、Chapter11を申請したということは、倒産手続き完了後に何らかの形で事業継続する意思があるということであり、うまく進めば会社は存続することになります。米国は「挑戦の国」であるという印象をお持ちの方も多いかと思いますが、債権者の保護はもちろんのこと、債務者(倒産申請者)に再生の機会を与えるということにも重きを置いているという点は押さえておくべきポイントと思います。ちなみに、Chapter11は日本の民事再生法のモデルとなった言われています。

Chapter7(清算型手続き)とChapter11(再生型手続き)

Chapter7の特徴

日本の破産手続きに相当する清算型手続きであり、個人・法人の双方に適用されます。裁判所の監督の下、管財人が債務者の財産を現金化し、各債権者に配当します。企業の場合、通常は手続き終了とともに解散します。

Chapter11の特徴

日本の民事再生法、会社更生法に相当する再生型手続きであり、基本的に法人に適用されます。債務者は、申請から120日以内に更生計画を提出し、債権者数の過半数かつ債権額の3分の2以上の賛成を各々得る(更生計画可決)ことが必要であり、さらに裁判所によって認可を得ることが求められます。旧経営陣がDebtor-In-Possession:DIP(占有を継続する債務者)として、事業経営及び財産の管理・処分に従事し、事業再生を図る点が特徴的です。

なお、Chapter11に失敗した場合には、前述のChapter7に移行することになります。

米連邦倒産法の留意点(Automatic Stay)

日本の倒産制度と幾つか大きく異なる点があるため、留意が必要です。
代表的なものとして、Chapter7、Chapter11が申立て(file)されると、債権者による一切の取立て行為が自動的に禁止される「Automatic Stay」があります。Automatic Stayにより債務者の財産が包括的に保全され、債権者の債権回収行為に加えて、担保権の実行や相殺も禁止されます。また、手続の開始において債務超過や支払不能等の要件が不要である点も日本との違いとして重要です。

日本の倒産制度を下敷きとして理解した上で、現地法に精通した弁護士等に相談をしながら対応を行うことが求められます。

債権保全に関する参考記事はこちら→有効な債権保全の証明と消滅の阻止

まとめ

COVID-19はいまだ収束の気配は無く、企業倒産が世界的にさらに増加することが予想されます。
取引先の経営破綻、倒産が今までよりも身近なものとなっていることから、アンテナ高く情報収集を行うことが必要です。万一の場合に備え、自社のリスク管理体制の検証を行うことも今後必要となるでしょう。

取引先の倒産を防ぐことはできませんが、自社がそれに巻き込まれないようにするために、取引先の信用不安の発生をいち早く察知することが重要です。そのためには、日頃から取引先の情報収集を定例業務として行い、小さな変化も見逃さないようにしましょう。

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