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米国(アメリカ)の移民問題はどうなる?米国の移民政策について

      2016/02/18

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建国以来、一貫して移民を受け入れてきた国、アメリカ。移民の受け入れに誇りを持っているとも言われてきました。多くの先進国が人口減少傾向にある中、唯一アメリカだけは人口が増加し続けています。しかし、その背景には移民の増加が関係しています。移民の増加に伴い、アメリカ国内では移民の受け入れに対する議論が激化している状況です。ここでは、アメリカの移民政策についてご紹介します。

 

アメリカの移民事情

6739-024-2多くの先進国が人口減少問題を抱えている中、アメリカの総人口は3億人を突破しています。先進国の中で、ハイペースで人口を増加させているアメリカですが、そこには多くの移民が関わってきます。

アメリカには、1,000万人以上の不法移民が居住しており、近年は中南米からの移民が急増しています。1965年の移民法改正により、移民問題の中でも特に中南米系(ヒスパニック系)移民に関する問題が注目されています。

移民はアメリカにとって、国内経済をさらに発展させる貴重な存在だと考えている人がいます。そのため、移民に寛容な人々は、移民に合法的な立場を与え、定住させることを促しています。

しかし一方では、移民増加に危機感を募らせている人々も存在します。理由としては、「移民増加に伴い、国内の賃金水準が引き下げられる」「治安が悪化する」などさまざまです。また、2001年に起きた9.11以降、治安維持の面から不法移民の取り締まりを望む声がさらに高まりました。

ヒスパニック系移民の増加によりアメリカが変わる

6739-024-3増加し続ける移民の中でも、特にヒスパニック系の移民が増加しています。1,000万人以上いる不法移民の中で、約80%の割合をヒスパニック系の移民が占めています。

アメリカの1人の女性が一生の内に産む子どもの数(合計特殊出生率)は「2.0人」と、一見高い水準に見えます。しかし、人種別にその内訳を見ていくと、白人が「1.8人」、アフリカ系アメリカ人は「2.2人」、ヒスパニック系は「3.0人」とヒスパニック系が押し上げていることが分かります。

アメリカ商務省国勢調査局の将来人口推計によると、2050年にアメリカの総人口は4億人を突破し、ヒスパニック系の人口が白人の人口を上回ると予測されています。そのため経済や政治の面でも、ヒスパニック系の移民は無視できない存在となっているのです。

アメリカの移民制度改革

6739-024-4移民の受け入れに対する議論が続く中、2008年に史上初の黒人大統領としてバラク・オバマ氏が当選しました。黒人やヒスパニック、アジア系など有権者たちの支持を集め、マイノリティ層の支持基盤を固めました。

オバマ大統領は主要な公約の1つとして「移民制度改革」を挙げています。移民制度改革とは、国境警備を強化し不法移民の流出を防ぐ一方で、不法移民を法的な枠組みに取り入れようとする制度です。

移民制度改革の最大の争点は、不法移民に対する扱いです。移民制度改革では、犯罪歴の有無や滞納税金の支払いなど、一定の条件を満たすことによって暫定的に合法滞在が許可されます。さらに、英語の習得などの条件をクリアすることで永住権を申請することが可能です。

しかし、オバマ大統領のこのような体制に対し、野党である共和党は「合法的なビザを所持している移民に対し不公平になる」などとして反発しました。アメリカ議会は「ねじれ国会」状態であり、オバマ大統領は難しい政権運営を迫られています。

おわりに

移民問題を抱えるアメリカですが、今やアメリカにとって移民は、国内の経済や政治を左右する重要な存在になっています。人口減少や高齢化問題を抱えて言える日本も、移民の受け入れ問題は他人事ではありません。そのため、今後もアメリカの移民政策の動向に注目する必要があります。

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