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なぜチャイナリスクは複雑なのか
このフレーズは今や、複雑系経済学を代表する表現となりました。
(用語説明)「複雑系経済学」従来の経済学は、ニュートン物理学を出発点にしていました。すなわち経済主体である人間を「合理的な行動をとる者」として理解し、その経済活動を論理的に説明しようとしました。一方、物理・数学など自然科学の分野で、「同じ前提でも異なる結果がある」ことが立証され、これらは「複雑系」と呼ばれるようになりました。
この「複雑系」理論を応用した経済学を「複雑系経済学」と呼びます。
人間は「非合理的な行動をとる者」であり、初期の微小な誤差が最終的に予想外の結果をもたらすものである、と経済活動を説明しようとするものです。
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その結果色々な要素が絡み合い、リスクの所在や影響が分かりづらくなっているのです。
またリスクが複雑化する現代において、チャイナリスクをさらに難しくしているのは、中国が導入している「社会主義市場経済」という分かりにくいシステムです。
それゆえに、チャイナリスクを理解する上で最も難しい点だと言ってもよいでしょう。
チャイナリスクの特徴は情報の不透明性
そのためには公式の統計データが信頼できるものであることが大前提となります。しかし中国の場合、政府などが発表するデータに信頼感が欠けると言われています。
「環境」は中国を取り巻く最大のリスク
環境問題は人の生命を脅かし、また将来の中国の経済活動を制限することになりかねない最大のチャイナリスクです。環境問題と一口に言っても、
・生態系破壊(巨大ダム建設による河川へのダメージ等)
などが挙げられます。特に西部大開発により内陸部の自然が破壊され、さらに工業化、自動車文明化により大気や水質汚染が進んでいます。
備えあれば憂いなし
貿易・投資など国際ビジネスを行うに当たり、リスク管理なくしてリターンを求めることができないことをお分かり頂けたと思います。
もちろんリスクばかり考えていては一歩も前に進めなくなりますが、「備えあれば憂いなし」の諺もまた真実かと思われます。
●コラム筆者プロフィール●
名前:テムジン
リスクマネジメント界のチンギス・ハンです。
一言:迷える子羊たちに、世界各国のカントリーリスクを 分かりやすく説明します。 |