これまで、60後(リウリンホウ)と70後(チーリンホウ)、80後(バーリンホウ)の各ジェネレーションの中国人とのビジネスにおいての付き合い方を通して、彼らの特徴を紹介してきました。
四回目の今回は、世代別から少し離れて、中国人女性リーダーとの付き合い方についてご紹介します。一般的に中国人女性はとても強い方が多く、街中においても男性に大声でどなる女性や、男性に沢山の荷物を持たせる女性を多く見かけます。ビジネス界においてもやはり、男性顔負けのキャリアウーマンや女性リーダーが多くいますので、付き合い方には注意が必要と言えるでしょう。
(過去の記事はコチラ)
■第一回:各世代の特徴別に攻略!中国人ビジネスマンとの「お付き合い」~接待のお酒編~【60後・70後・80後】
■第二回:各世代の特徴別に攻略!中国人ビジネスマンとの「お付き合い」~接待の食事編~【60後・70後・80後】
■第三回:各世代の特徴別に攻略!中国人ビジネスマンとの「お付き合い」~基礎知識編~【60後・70後・80後】
▼目次
中国における女性の社会進出の現状と課題
中国人女性リーダーやキャリアウーマンが誕生する背景として、中国の子育てに関する習慣があります。中国では女性の就業率がとても高く、結婚して専業主婦という女性はあまり見かけません。中国では一般的に、子供が生まれると、母方の親もしくは父方の親と同居し、子供の面倒を見てもらうため、産休育休期間もほとんどなく職場復帰します。結婚、出産後も仕事を続ける理由は、やはり経済的な理由が一番ですが、都市部では、親と同居せず、阿姨(アーイー)というお手伝いさん(比較的安価な賃金)を雇って、働きに出る女性も多くいます。それでも、女性が管理職に占める割合は二割以下と、実際はかなりの男性社会という一面もあり、本当の意味での社会進出には多くの課題があるようです。
著名な中国人女性リーダー
そんな中、ビジネス界では光り輝く中国人女性リーダーが多くいます。2015年に米誌フォーブスにより、「最も影響力があるアジアの女性ビジネスリーダー50人」が発表され、電子商取引の中国最大手アリババグループの共同創業者・彭蕾(Lucy Peng)氏(アント・ファイナンシャルCEO)、大手不動産デベロッパーSOHO Chinaの共同創業者・張欣(Zhang Xin)氏、ファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)の孫亜芳会長など、15人の中国人女性(香港台湾を含む)がランクインしました。(彭蕾氏、張欣氏はフォーブス誌「世界で最も影響力のある女性100人」にも選出されています)
近年の中国ドラマでは、若くして会社を立ち上げた女性が男性社会の中で奮闘し、やがては大金持ちになり、恋人もゲットするというストーリーも定番となり、女性リーダーたちは中国人女性のあこがれの存在でもあります。
また、中国人は家族経営をより重視している傾向があり、オンラインショッピングサイト「当当網(dangdang.com)」の兪渝会長など、夫婦で会社を創設し、活躍している女性もたくさんいます。
中国人女性リーダー・キャリアウーマンの特徴
男性社会の中で成功した女性エリートや、夫を支えながら事業を成功させたやり手の女性はどのようなタイプの方なのでしょうか?残念ながら、先ほど紹介した女性ビジネスリーダー達に実際お会いした事はありませんが、これまでの経験から共通した特徴があるように感じています(あくまで筆者の個人的な見解です)。
まず一つの特徴は、「怒らせると男性以上に激しく怒る」ということ。それから、「機嫌がよいときと悪いときの差が比較的激しい」こと。また、「一度信頼を得られると、とことん信頼してくれる」といった特徴もあります。それから、パーソナルな部分としては、美容と健康に興味関心が高く、中国茶や漢方に精通していて、オーガニックなものや日本の高級化粧品などを好んでおり、とても女性的な一面も持っている点が特徴です。
女性リーダーの心を掴むコツ
女性リーダーの心を掴むポイントは、単純ですが、人として気に入られる事です。日本のビジネスマンは、中国人男性とは異なり、スマートさが魅力的という声がある一方で、繊細すぎたり、真面目すぎて臨機応変に対応できなかったりする人は、嫌煙される傾向にあります。日本人は気質として真面目ですので、仕事の内容はおそらく問題ないと思います。中国人女性リーダーの大胆な方針転換や意見などに、固い頭で考えず、おおらかにかつスマートに対応しながら、相手に振り回されすぎない事が必要ではないでしょうか。また、あえて日本企業側も担当を女性社員にすると、懸命に頑張る異国の女性の姿に女性リーダーの共感が得られる場合もあります。(若すぎると気に入られないし、歳が近すぎても難しいところがありますが。)
まとめ
女性リーダーを含め、多くの中国人女性は、日本という国のイメージやブランドに対して良い印象をもっていると感じます。女性リーダーへの手土産は、made in japanのオーガニック健康食品や洗練されたデザインの茶器などが喜ばれると思います。中には、めったに化粧をしない女性もいるので、化粧品はあまりお勧めしませんが、あえて選ぶとすると、基礎化粧品などよりもボディーミルクや体用のマッサージオイル等の方がよいでしょう。あまり日本のブランド力を過信しすぎても、逆にプライドの高い中国人女性の反感を買う事になりますので、日本人らしく謙虚に日本の良さをアピールすることで、ビジネスを成功に導く第一歩が踏み出せるかもしれません。
いかがでしたか。四回にわたり、中国人とのビジネスにおけるビジネスマナーについて解説してきました。当然ながら、中国人は日本人とは異なる気質・メンタリティを持っています。彼らの考え方や行動様式を尊重しつつ、より良いビジネス関係が構築できるとよいですね。