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【海上コンテナ運賃動向はこう調べる】コンテナ運賃、だいぶ落ち着いてきました

投稿日:

海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。

2022年春にかけて海上コンテナ運賃が高騰しました。Covid19の影響でコンテナそのものが特定地域に滞留したこと、コンテナを内陸輸送する運転手が自宅釘付けで就労できなかったこと、ロシアのウクライナ侵攻で燃料費が値上がりしたこと、などが背景にあることはニュースでご存じと思います。そんな海上コンテナ運賃もかなり落ち着いてきました。

2020年末レベルまでほぼ戻った海上コンテナ運賃

出典:合同会社トロ資料

海上コンテナ運賃が2020年末レベルまでほぼ回復

日本から北米、欧州、アジア向け航路のコンテナ運賃が2022年末時点で2年前2020年末レベルにほぼ戻りました。2022年後半にこれら地域での経済活動がほぼ通常通りに戻ったため、物流分野の運転手を含む熟練従事者が現場に復帰してきたことも理由の1つです。特に価格高騰が著しかった北米向けは、2020年初頭と2022年春頃では8-9倍の価格比にまで至りました。40コンテナ1本の運賃が15,000ドル近くもすると売買の採算が大きく狂います。コンテナ予約が数か月も先になるという納期の問題も発生しました。

海上コンテナ運賃の月次動向を調べる

公益財団法人日本海事センターが海上コンテナ運賃動向を毎月更新しています。
https://www.jpmac.or.jp/relation/container/

米州(東海岸、西海岸)、欧州、アジアの主要航路ごとに、日本発着別運賃を月ごとに調べることができます。新規市場向けに取引の採算性をざっと計算する時には概算値として役に立ちそうです。本ブログ冒頭グラフのように変動推移をつかむのにも役立つデータです。

また、運賃だけでなく荷動きの動向(世界、航路別)も同センターのサイトで入手することができます。世界レベルのサプライチェーン把握など鳥瞰視野で考えるのに役立つサイトです。
https://www.jpmac.or.jp/relation/

コンテナ船は足りているのか?

運賃高騰や納期遅延はコンテナ船の絶対量不足が原因ではないか?という疑問があるかもしれません。国土交通省の資料によると、2022-24年に竣工するコンテナ船は全世界で814隻、このうち13,000TEU以上運搬できる大型コンテナ船は242隻と全体の約30%を占めています。今後数年で海上コンテナ輸送は改善が期待できそうですが、現役引退するコンテナ船もあるので若干改善程度でとらえるのが無難そうです。

もちろん貿易の物流は売り手倉庫から買い手倉庫まで長いので、船が増えても港の処理能力や内陸トラック輸送がお粗末では話になりません。輸送方法選定時には運賃もさることながら、内陸でのサービスも含めて考えることが重要です。

 

まとめ

2022年春頃に高値をつけた海上コンテナ運賃は年末に2年前の2020年末レベルまで下がりました。海上物流は船舶だけでなく内陸の貨物処理能力やトラック輸送も含めて考えることが重要です。

【プロフィール】

合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし)

大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングや研修サービスを、民間企業およびジェトロや中小機構などの公的支援機関向けに提供している。これら機関向けセミナー実績も多数有する。

メール:info@toro-llc.co.jp
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