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【海外展示会・見本市の活用】メリットとデメリット

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海外展示会イメージ

海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。

海外販路開拓の有効な手法の1つとして展示会の活用を挙げることができます。

ウェブマーケティングだけでは集めきれなかった顧客情報も、来場者と直接会って話をすることで予想以上のものを得られるかもしれません。一方で準備不足のため思うような成果につながらない可能性もあります。

地域にもよりますが、展示品を数か月前に出荷(船積)することが求められます。海外出張費用も含めて、一回の出展で百万円単位のお金が出て行くのが海外展示会です。なんとなく出てみた、では大きすぎる金額です。
シリーズ初回では、海外展示会参加のメリットとデメリットを理解し、海外顧客獲得につながる第一歩を踏み出しましょう。

▼目次

目的と目標をはっきりと

Q)何のために出展するのでしょう?

→製品をx国に新規拡販したいのか、y国で自社認知度を上げたいのか、z国でのユーザー意見を聞きたいのか、ということを明らかにしてください。それが最終的には売上と利益増加に結び付くことになります。

Q)数値目標は何ですか?

→認知度向上のため1,000人にパンフレットを配るのか、6か月以内に成約が見込まれる候補先20社と名刺交換するのか、そのような数値目標を立てましょう。

メリット(特に説明を要しませんね)

  1.  多くの人に直接出会えます
  2. 特定のテーマに関心のある人に出会えます
  3. 宣伝効果があります
  4. 既存取引先(ある場合)とのコミュニケーション強化ができます
  5. 最終的に新規売上につながります
海外展示会の様子(バンコクにて筆者撮影)

海外展示会の様子(バンコクにて筆者撮影)

デメリット

  1. 準備に時間、労力、資金がかかります
    国や地域によっては、展示会といえども規格や認証を事前取得する必要があるかもしれません。仕様変更の労力、物流期間、出張者の渡航費用などを事前にきちんと見積もっておきましょう。
  2. 日本国内より集客が楽でありません
    日本語がそのまま通じるのは日本だけです。展示会場の立地や交通インフラ、天候によって来場者が大きく変動する可能性があります。有力業者に事前招待状を送ってもなしのつぶてかもしれません。
  3. 知財リスク(模倣されるなど)があります
    不特定多数の目に触れるということは違法コピーされる可能性がある、ということです。スマートフォンで簡単に画像撮影ができるのは海外も一緒です。
  4. 過去のやり方(日本国内含む)を踏襲しても受けないかもしれません
    よくわからない海外だから日本と同じようにやろうということで、アンケート、名刺収集にこだわる(米国の展示会来場者には名刺を持ってこない人がかなりいます)、ということを行いがちです。でもこの機会に、一気に新しいことをしてみませんか?海外ですし。
  5. 有望候補先が本当に有望かどうかわかりません
    ブースで調子よかった相手は本当に取引先に相応しいでしょうか? その名刺の会社URLは本当にアクセスできますか? 連絡先がフリーメールではないですか?信用調査を行うのはもちろん、良さそうと思った相手の事務所や工場には、商談を決めるまでのどこかの段階で必ず訪問しましょう。

まとめ

海外販路開拓において展示会は非常に有効な手法です。

多くの新規取引先候補に直接会える可能性を秘めています。一方で、準備、集客、知財、信用調査などで日本国内以上の注意が求められます。目的や目標を明らかにし、準備段階からよきチームワークで成果ある出展に結び付けたいものです。

「海外展示会の活用」は今回を含め全6回です。次回は、海外展示会での露出と知財について説明します。(3回目は集客、4回目はブースでの人の役割、5回目は来場者情報収集と分析、6回目は事後フォロー、をお知らせする予定です)

【プロフィール】
合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし)

大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングサービスを、ジェトロや中小機構などの公的支援機関および民間企業向けに提供している。
URL: https://sub.toro-llc.co.jp/

 

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