当ブログ上でダウンロード公開している海外取引リスク管理の入門書、すでにお読みいただいたでしょうか。
今回は、入門書をダウンロードした方に協力いただいた事前アンケート結果の数値データを見ながら、みんながどのポイントで困っているのか?お悩みポイントを分析してみました。
▼目次
分析①:現場担当者も管理職も、それぞれお悩み解決のアクションを取っている
内訳をみると、なんと管理職と現場担当者がほぼ同数です。当初の予想では、経営層・管理職のダウンロードが多いと考えていたため、これは意外な結果です。
海外取引の現場担当者には、日々の取引にきちんとリスク意識を持って取り組んでいる方が多い、といえるのではないでしょうか。
ちなみに1名回答の経営者様のお悩みは、「イレギュラー対応における専門家相談」といった、さすがに将来を見越したリスク予防的な内容でした。
分析②:海外取引の情報収集手段は?~専門誌・メルマガ購読と関連サービス会社HPを活用
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(なお「1~4」回答者における現場担当者・管理職の割合は、ちょうど半々でした)
オフラインでの情報収集、特に書籍などの出版物・JETROライブラリーでの相談等の併用状況も調査してみたいところです。
分析③共通の関心事は…取引先の情報収集>体制構築。
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現場担当者の方と、管理職がそれぞれ「関心がある」と答えたサービスの内訳を並べて見ると、トップは「1.取引先に関する情報収集サービス」となりました。
【信用調査レポートを取得する】【上場企業ならAnnual Reportをひたすら読む】【海外企業のランキングサイトをハシゴする】など、皆様が個別の企業調査に利用している手段とそれぞれの課題は、当ブログ上で追加アンケートを取ってみたいポイントです。
中には企業調査レポートの取得サービスを利用している方でも、自社での独自モニタリングの必要性を感じるという声がありました。
やはり現地法人や駐在拠点の存在しない企業の場合は、遠隔地の取引先である海外企業のモニタリングが最大の関心事のようです。
総じて全体の傾向としては、やはり「取引先の情報収集」や「債権保全」といった、外部要因への対応策となるサービスに特に関心が高いようです。
分析④管理職が必要性を感じている「分析・格付サービス」
取引先や関連情報を収集した後には、取引可否について「可・条件付き可・不可」といった最終的な判断を下すことになります。より意思決定のシーンに近い立場である管理者の方だからこそ、客観的な判断指標である「格付」にニーズを感じているのかもしれません。
という管理者の方々の声からも、最終判断の根拠づけ材料に対するニーズが読み取れます。
総評、気付き
(もちろん「リスクマネジメントの入門書」ですので、現場担当者の方が読んでも『管理ルールの背景にある基本の考え方はこうだったんだ!』と納得いただける内容になっています!)
直近の状況では、この2015年夏の中国株価の乱高下に端を発する世界経済への影響もあり、各国カントリーリスクがじわじわと顕れつつあるように思います。おそらく今後は内部要因に加え、外部要因に備えるための準備がますます重要になってくるのではないでしょうか?
もしこのアンケート結果分析が、同じようなお悩みを持つ海外取引ご担当者様の何らかの参考になれば幸いです。ぜひ今後も「コノサー」サービス、「みんなの海外取引ブログ」をご活用ください!