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インド「出張者」は要注意!当局による課税強化!

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画像:Photo AC

インドで日本企業の進出支援を行っている公認会計士の野瀬大樹です。

この2・3か月の間、インドの日本人社会ではあるトラブルが頻発しています。それはインドに駐在している人ではなく、インドへの「出張者」にです。

突然「日本に帰れない」かも?!インド税金の「182日」ルール

インドの税法では、インドに1年間のうち182日以上滞在する場合は、その年インドから「コントロールした所得」はすべて課税されます。この「コントロール」という概念が難しいのですが、実務的には日本で支払われている給与についても、この182日条件を満たすとインドにおいて課税されることになります。

ただ、インドに住んでいる駐在員と異なり、インドへの「出張者」の場合、現地のルールに詳しくないことも多く、また日本では源泉税を納付しているので安心したのか、この条件を満たしているのにインドで納税していない日本人は少なからずいたと言われています。そしてインド税務当局からもこの点について指摘が来ることも稀でした。

しかし、今年の夏くらいから、この点について税務当局から指摘が入ったり、また空港のイミグレーションカウンターで納税の有無を確認されて納税の証拠を出せない場合、日本に向けて出国できなかったりなどのトラブルが頻発しているのです。

従来は、スルーされていた点について税務当局が本気で対策を取り出したというイメージでしょうか。とにかく「さあ日本に帰れる」と思った矢先に空港で出国拒否された時の絶望感は想像に難くありません。

これは法律で従来より決められている話なので、インド税務当局の主張が完全に正しく、指摘を受けた場合は、キチンと納税手続きをする必要があります。過去数年にわたりインドに年間182日以上の出張をしている場合には、その過去の該当年度すべてに関して納税する必要があるのです。

インドの最高税率は160万円以上で約30%ですので、通常数百万円、人によっては一千万円以上の納税が必要になるのです。

トラブルに巻き込まれないための予防策

さてこのような事態にならないように「インドへの長期出張」がある人はどのような対策をしておく必要があるのでしょうか

まず第一に、現地出張先で自分に「納税義務がないかどうか」を確認したほうが良いでしょう。
日本の税理士は日本の税務には詳しいですが、出張者がどういう要件を満たせば当該国で納税義務が生じるかまではわからないケースがほとんどです。出張が決まったらまずはその相手先に軽く質問してみるのがよいでしょう。

また2つ目には、現地で同じような長期出張者に確認してみるのも良いでしょう。
インドの場合、出張先の経理の人に確認しても面倒だと判断すると「問題ない」という回答が返ってくるケースが多いのが実際です。1つ目の確認で安心するのではなく、現地の生の情報を同じ境遇の日本人から聞くのが良いでしょう。場合によっては現地にいる日本人専門家に確認するのも良いかもしれません。

途上国でビジネスをする場合、コンプラや税制に関して現地の専門家に確認をしても皆回答が違うケースがよくあります。法律自体がグレーなことも多いですし、法律とその運用が違うケースもよくあるからです。また、法律が複雑すぎて現地専門家が知らないケースも珍しくありません。

これから外国へ長期出張する人は他人事とは思わず、まずは複数筋に確認するようにしてください。出張したものの日本へ帰れない…などというリスクは常に出張者に付きまとうのです。

まとめ

・海外への長期出張者は当該国での課税関係に注意を払う。
・会社、税理士、そして同じような出張者と複数筋に確認するのがベター。

【プロフィール】
野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士

大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。

事務所HP:http://in.nacglobal.net/

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