今回は、海外取引における判断の精度を上げるための、海外企業調査レポートのプラスαの活用方法をお伝えします。
▼目次
海外企業調査レポートのメリットとデメリット
海外企業との取引においては、調査会社に依頼し、海外企業調査レポートを取得している企業は少なくないと思います。海外企業調査レポートには、一般的に調査会社が独自に取引先の信用度を評価した「評点」や「レーティング」がついていることが通常です。
これらの評価は、取引先企業についての定量(財務データ等の数値に表わすことのできる情報)・定性(経営者の属性や、銀行からの評判など数値で表すことのできない情報)の両面の材料を総合的に判断した内容になっており、利用者にとって「その企業と取引をしていいのかどうか」、「取引するとしてどのぐらいしていいのか」といった総合的な判断をする際に、非常に参考になる内容となっています。
しかし、この「評点」や「レーティング」も常に万能であるとは限りません。時には、一部の「定性情報」の不足によって、財務状態に特に問題がない場合でも極端に低い評価がついたり、親会社が上場大手の健全企業であるということ等の考慮が評価においてされていないと見受けられることがある等、評価の元となっている情報の範囲や背景をしっかりと把握しないと、誤った判断をしてしまいかねません。
昨今の非常に競争の激しい時代において、誤った判断によりむざむざ販売機会を逃したり、不要なリスクを取るということは避けたい所です。そのような状況に直面することを少しでも避けるために、海外企業調査レポートの活用と共に、海外企業との取引を判断する際にプラスαの要素を取り入れることをご提案致します。
取引判断の精度アップに有効な財務格付
そのプラスαとしてご紹介したいのが、定性情報を加味しない財務格付を活用することです。定性情報が考慮されていない分、財務格付も万能とは言い切れない側面はありますが、個人の主観や恣意性を排除した客観的な判断を下せるという点において、財務格付は非常に使い勝手が良くなっています。
定性情報も含まれた評価である海外企業調査レポートの「評点」や「レーティング」と合わせて、定量情報のみを分析した財務格付を同時に確認し、そこに大きな乖離が生じていた場合にはその背景を入念に調べることにより、より精度の高い取引の判断ができるようになることでしょう。
三井物産クレジットコンサルティング(MCC)格付について
三井物産クレジットコンサルティング(MCC)では、上述の定量情報(財務情報)のみを活用した信用格付けであるMCC格付を提供しています。この格付は、親会社である三井物産が30年来に渡って磨き続けてきた取引先の信用力を評価するノウハウが蓄積されたもので、主に以下のような特徴があります。
・定量情報のみを判断材料としているため、恣意性を排除し、取引先に対し、ブレのない一貫した評価ができる。
・取引先を15段階に分類。とりわけ、低格付先について詳細に分類することにより、取引リスクに対しより精度の高い判断ができるようになっている。
・「格付」そのものに取引先が属する国のカントリーリスクが加味されているため、海外の取引先を国の違いによらず、全世界統一基準でランク付けできる。そのため、日本の本社で海外の取引先をまとめて管理されているような企業においては、非常に使い勝手の良いものになっております。
まとめ
前半でお伝えの通り、海外企業調査レポートは非常に有用なものです。
自分たちで調査をしたり、海外企業調査レポートと同等の情報を取ろうとしても、そもそも情報入手のルートがなく情報そのものが取れなかったり、取れたとしてもそれなりにお金も時間もかかるなど、海外企業調査レポートを活用することは、費用対効果の面で非常に優れていると言えるでしょう。しかし、定性面を加味した評価は客観的な判断を行うことが非常に難しいということ、また判断がぶれる可能性があるということを念頭において活用することが求められます。
海外企業調査レポート+財務格付けという組み合わせにより、より精度の高い海外取引を実現してみませんか。
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