12月の花嫁?!インドの結婚シーズンとは?
インドで日本企業の進出支援を行っている公認会計士の野瀬大樹です。
先日、私の会社の記念すべき最初の従業員の結婚式に参加してきました。
インド、特に北インドでは12月は結婚式シーズンのスタートです。理由は様々なものがありますが、ヒンドゥー教の占星術では7月~10月が結婚式として避けられる傾向にあり、また11月がインドで一番大きなお祭りシーズン「ディワリ」である点、そして4月~6月がインドは非常に暑い時期であることから、その間の12月~3月が結婚式に最も適した時期だとされているのです。
皆さんのイメージの通りインドの結婚式は非常に派手で、結婚パーティーにおいては招待客500人なんていう規模でも極々「普通の結婚式」です。音楽隊を呼ぶのはもちろん、象やラクダを呼んだり、DJを呼んで踊りあかしたり、とにかくド派手なのです。
しかし、今回私が参加した結婚式はコロナ禍の真っただ中ということもあり、少し控えめな結婚式でした。音楽も踊りもないのは、飛沫や接触を防ぐ意味があったのかもしれません。
とはいうものの、日本の結婚式よりは大規模で大人数であることには変わりなく、皆でバイキング形式での食事をとるのでコロナ感染にリスクを考えると少々リスクが高いように感じました。
政府も、この結婚式シーズンがコロナ感染拡大につながると懸念しているようで、結婚式の参加者も上限50人にするようにと通達を出しています。しかし、慶事であることに加えもともとの派手好きな文化、そしてそもそも結婚パーティ自体が7・8時間以上ありその出入りも自由とあって、人数をカウントしている人はいません。実際私が参加した結婚パーティーも少なく見積もっても200人はいたように感じました。
また、皆カメラで写真をとるのも大好きなので宴もたけなわになってくると半分以上の人はマスクを外して撮影し、その後は食事をしながら談笑しているような状況でした。
11月の最大のお祭り「ディワリ」では親戚で集まって寝泊まりし、この12月から始まる結婚式シーズンでまた多数の人との接触が増える…アメリカに次いで世界2位のコロナ感謝数を記録しているインドのコロナ患者数はまだまだ増え続けそうです。
ただ、だからといって私はインド経済について悲観的ではなく、周囲を見ていても、もう皆「コロナを気にしない」という方針に舵を切ったように感じます。実際自動車産業を中心にインド経済はディワリ以降急回復しており、外資に対して「インドへの投資をもっと増やしてくれ」と自治体が毎週のようにイベントを開催しているほどです。
日本から見たら「無謀」に見えるかもしれないこのインドの対コロナ観が、実は戻りつつある経済の原因なのかもしれませんね。
まとめ
・12月からインドは結婚式シーズン。皆コロナも気にせずに大人数でパーティーをしている。
・コロナ患者は増え続けているが、インド経済は回復基調。コロナを「気にしない」に舵を切り始めた様子。
【プロフィール】
野瀬 大樹(のせ ひろき) 公認会計士・税理士
大手監査法人勤務の後、NAC国際会計グループに参画、インドのニューデリーにて主に日系企業をサポートするコンサルティング会社NAC Nose India Pvt. Ltd.を設立し、同代表に就任。インド各地にて、会計・税務・給与計算に加え、各種管理業務に関わるコンサルティングサービスを提供している。
事務所HP:http://in.nacglobal.net/