海外マーケティング支援を行っている合同会社トロの芳賀 淳です。
海外出張に行きます。取引先を訪問します。普段からお世話になっているAさん(日本人ではない)にお土産を持って行くつもりですが、何が喜ばれるでしょうか?
海外の人に喜ばれるお土産を考えるのは実は大変かも
出典:合同会社トロ資料
日本人向けのお土産ならば
海外に住んでいる日本人向けのお土産ならば、現地で手に入りにくい日本の食材、人気のある酒類やお菓子、を用意すれば喜ばれるのですが、外国人向けの場合はそういう訳には行きません。文化・風習、添加物への意識、宗教、そしてその人の信条、を考えてお土産を選ばないと逆効果になることがあります。
ちなみに、外国に住む日本人向けに筆者が用意するものは、日本のスーパーマーケット等で手に入る乾物類、具体的には高野豆腐、切り干し大根、ふりかけ、かつおぶし、そばとそばつゆ、等です。地位の高い人向けにはうなぎのパック、を持参します。国によっては簡単に手に入るところもありますが、筆者の出張先では日本の食材がなかなか流通していないところが多かったです。
文化や習慣
肉食を控える人の多い文化(植物類が主体の食生活)では、動物たんぱく質由来の原材料が含まれている食品を口にしません。一応受け取ってはもらえますが、原材料は何か、添加物はどんなものが入っているか、念入りに聞かれる覚悟がいります。その結果、食べてもらえなかった、というのでは空しすぎます。事前に訪問先の文化や習慣を調べ、場合によっては口にできないものを事前に問合わせる気配りも必要です。
宗教
宗教によって、口にできない、あるいは触れてもいけないモノのタブーがあります。すぐに思いつくのはイスラム教におけるハラルです。豚肉や豚を原材料とするものは贈り物には不適です。豚以外にもハラルは沢山あるので、きちんと確認しましょう。
他にもタブーが存在する宗教があるので、失礼の無いように調べておきます。
置き物、高価な工芸品など
海外渡航の最中に破損しそうな贈り物は好ましくありません。万が一そのようなモノを贈り物として持って行く場合には、しっかりと梱包し、輸入通関時の検査に備えて無償物品のInvoiceを予め用意しておくことを考えましょう。Invoiceには贈り物の代金をきちんと記載し(ゼロではダメです)、No commercial Value, Customs clearance purpose only という文言を記載します。
宗教上の理由で人形等を好ましく思わない人もいるので、できれば避ける方がいいかもしれません。
出典:合同会社トロ資料
ほぼ喜ばれるお土産
お土産を用意する側の都合として、軽い、かさばらない、適度な価格と質感がある、海外では珍しい、モノを持って行きたいと思うことでしょう。海外でほぼ喜ばれるお土産には、文房具(筆記用具)、日本ならではの紙製品(折り紙トレイ、千代紙)があります。針のいらないステープラー(ホッチキス)、消せるボールペン、は日本ならではのハイテク文房具ですね。
中でも日本のボールペンは書き味満点です。海外出張で、枕元のボールペンが書きにくく、すぐダメになることに閉口したことのある人は多いはずです。筆者は日本の文房具(ボールペン)のお土産で外したことはありません。地位の高い方には高級モデルを選びましょう。
まとめ
海外出張のお土産、何にしましょう?相手の宗教や文化を考慮して選びましょう。持ち運びが楽な、軽い、かさばらない、腐らない、現地で珍しい、品物がお勧めです。筆者の経験でほぼ間違いないのは、日本の文房具(筆記用具)です。日本ならではの紙製品もお勧めです。
【プロフィール】
合同会社トロ 代表社員 芳賀 淳(はが あつし)
大手総合電機、精密機械メーカーにてベトナム他での海外販路開拓や現地法人設立などの海外業務に携わった後、合同会社トロを設立。豊富な海外業務・貿易実務経験を活かしたコンサルティングや研修サービスを、民間企業およびジェトロや大阪商工会議所などの公的支援機関向けに提供している。これら機関向けセミナー実績も多数有する。
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